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【EAI論評】安倍政権と日本国憲法改正

カテゴリー
論評・イシューブリーフィング
発行日
2020年6月5日
関連プロジェクト
未来日本2030
【EAI論評】安倍政権と日本国憲法改正.pdf
【EAI論評】安倍政権と日本国憲法改正.pdf

【編集者注】

安倍晋三首相が率いる与党・自民党は、3月25日に党大会を開き、憲法改正案を正式に発表しました。主要な争点の一つであった「自衛隊」に関する条項については、現行憲法第9条をそのまま維持しつつ、9条の2を新設して自衛隊の違憲論争を解消する方向で合意がなされました。しかし、当初の計画通り年内に改正案を発議し、来年上半期に国民投票に付すことができるかは未知数です。これに対し、イ・ジョンファンソウル大学教授は、憲法改正は安倍政権の政治的安定と直結した問題であり、現在相次ぐ私学スキャンダルによって党内における安倍指導力への求心力が弱まっており、憲法改正の可能性も共に低下していると評価しています。


自民党憲法改正推進本部における議論の決着

現行の日本国憲法施行70周年となる2017年5月3日(憲法記念日)、安倍晋三首相はビデオメッセージを通じて、新憲法施行目標時期を2020年と提示し、政界に憲法改正に関する議論を進めるよう促しました。自由民主党(以下、自民党)は安倍首相の提案に応じ、党内憲法改正推進本部で憲法改正の核心事項に関する党論を確定するための議論を進めてきました。2018年3月22日、自民党憲法改正推進本部は全体会議を通じて、4つの事項に関する条文案を実質的に確定しました。

自民党憲法改正推進本部で議論された4つの争点は、「自衛隊」、「緊急事態」、「教育の充実」、「合区解消」です。各事項において改正が必要とされる論理は以下の通りです。「合区解消」に関する改正事項は、現在の参議院選挙区に存在する、一つの都道府県から一人しか選出されない選挙区(いわゆる「1票の格差」問題)を解消するため、選挙区に関する第47条の改正が必要であるというものです。「教育の充実」の場合、国民の教育を受ける権利と義務に関する第26条の規定を改正し、国民の教育を受ける権利をより広げるべきだという主張に重きが置かれています。「緊急事態」に関する条項は、地震のような事態が発生した際に選挙を延期したり、内閣に特別権限を付与したりする必要があるという論理に基づいています。日本国憲法改正議論の最も核心的な事項である「自衛隊」に関する部分は、戦力不保持の規定が含まれる第9条の改正を通じて、自衛隊の違憲性問題を解消すべきだという論理に基づいています。

3月24日、自民党本部で開かれた地方議員講演会において、憲法改正推進本部は4つの事項に関する改正案を発表しました。「合区解消」に関する条項は、第47条に「参議院議員の全部又は一部の選挙において、選挙区を合区により改正する場合には、各選挙区に少なくとも一人を選出することとする。」という文言を追加する形で発表されました。「教育の充実」に関する条項は、第26条の3項を新設し、「国は、各人が経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保することを含む、教育環境の整備に努めなければならない。」という内容を追加する案が提示されました。「緊急事態」に関する条項は、第64条の2に「大規模な地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員総選挙又は参議院議員通常選挙の適正な実施が困難であると認められる場合には、国会は、その任期の特例を定めることができる。」を追加し、第73条の2に「大規模な地震その他の異常かつ大規模な災害により前項の例によることによることができない場合には、内閣は、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。」を追加することで整理されました。日本国憲法改正議論において最も核心的と言える「自衛隊」に関する条項は、第9条の2を新設し、「前条の規定は、我が国の平和と独立を維持し、並びに国家及び国民の安全を保護するために必要な自衛の措置をとることを妨げるものではなく、そのための実力組織としての自衛隊を保持する。」という内容を追加することが、自民党憲法改正推進本部の案として提示されました。

自民党憲法改正本部が提示した憲法改正の4つの争点は、議論の登場背景から対立の構図まで、すべて異なります。まず、選挙区問題に関連する「合区解消」事項は、各都道府県で参議院通常選挙ごとに少なくとも1人の地域区当選者が必要であるという広範な共感を基に、大きな対立なく議論が進められました。次に、「教育の充実」事項は、日本維新の会が党論として主張してきた教育無償化を自民党が受け入れたものです。この事項は、憲法改正において日本維新の会の協力を得るための手段的側面が強いです。ただし、自民党憲法改正推進本部は「無償」という表現を明記しないことで文案を調整しました。第三に、大規模災害という特別状況下で選挙を延期したり、議会を通じた立法ではなく内閣による政令で行政措置を行ったりできる規定を含む「緊急事態」条項については、内閣の政令制定権が広範になりうるという党外からの反発がありました。しかし、党内一部の保守的な人士からは、災害だけでなくテロなどの状況にも同条項を拡大適用できるよう文言を調整すべきだという主張もなされました。このように、各事項ごとに全く対立がなかったわけではありませんが、自民党憲法改正推進本部の議論過程において、これら3つの事項は文言の調整に近いものであり、党内の鋭い路線対立は存在しませんでした。

これとは異なり、「自衛隊」に関する第9条の改正については、自民党内の意見が容易にまとまりませんでした。結局、3月22日の全体会議で、第9条改正問題を憲法改正推進本部長である細田博之氏に一任することが決定されました。

第9条改正に関する自民党内の議論自民党内における第9条改正に関する議論の構図は、第9条1項と2項を維持したまま第9条の2を新設する憲法改正推進本部の改正案と、第9条2項を削除すべきだという改正案との対立の中で進められました。憲法改正推進本部の議論過程において、細田本部長と高村正彦副総裁兼憲法改正推進本部特別顧問が前者(改正案)を代表するとすれば、石破茂元幹事長が後者(削除案)を代表しています。しかし、憲法改正推進本部の改正案は、2017年5月のアベ首相のビデオメッセージに既に盛り込まれていました。すなわち、第9条改正について、安倍首相を中心とする自民党主流派の間で、第9条の維持および第9条の2新設案に対する暗黙の合意があり、憲法改正推進本部の議論はこれを党論として公式化しようとする試みと見ることができます。しかし、この過程で石破氏が原則的な問題を提起したことで対立構図が形成されました。

この1年余りにわたる自民党内における第9条に関する議論で最も注目すべき点は、安倍首相を筆頭とする主流派が第9条維持案を選択したという点です。自民党は既に党論として確定した憲法改正案を持っていました。2005年の創党50周年に発表した「新憲法草案」が、自民党が公式化した最初の改正案でした。そして2012年4月28日、「主権回復の日」に発表した「日本国憲法改正草案」は、自民党の公式改正案としての位置づけを持っています。2012年に採択した「日本国憲法改正草案」には、現行第9条2項の「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」という条文を「前項の規定は、自衛権の行使を妨げるものではない。」と修正する内容が含まれています。また、第9条の2を新設し、「国防軍」を保持するという文言を追加する内容も含まれています。すなわち、2012年の草案には、戦力保持の文言を削除し、国防軍という表現を用いることで、現在の自衛隊を一般の軍隊として公式化する内容が盛り込まれています。これは谷垣禎一氏が総裁であった野党時代に党論として定められたものですが、2012年の自民党憲法改正草案の内容は、安倍首相をはじめとする現在の自民党内主流派が同意し、主導したものでした。

2012年の草案と比較した場合、現在安倍首相を中心とする主流派が選択した第9条内容全体の維持は、根本的に限界があります。第9条2項の「戦力を保持しない」という規定が残っている限り、自衛隊は軍隊ではありません。また、第9条の2を新設すること自体は同じであっても、2012年の草案の第9条の2における国防軍の規定と、2018年の憲法改正推進本部条文案における自衛権と自衛隊に関する規定は、内容上の意味が異なります。現在の安倍首相が率いる主流派は、憲法改正の目標を、自衛隊を違憲状態から明確に脱却させることに置いています。

一方、石破氏は、自衛隊の存立根拠を実質的な軍隊として明確に規定した2012年の自民党の党論を改めて提起しています。戦力不保持の内容が残っている限り、自衛隊の存立根拠を憲法条文に追加したとしても、戦力不保持と自衛隊の根本的な対立構造は解消されないというのです。

このような問題を理解していないはずのない主流派が、戦力不保持の内容を含む第9条2項を維持しようとするのには、いくつかの理由があります。まず、連立与党である公明党に配慮する必要があるためです。憲法改正を行うにあたり、現行憲法の3つの原則である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を維持することが重要であり、時代に合わせて環境権などの人権規定を追加すべきだという立場を持つ公明党にとって、第9条2項の削除は容易に受け入れがたい変化です。また、2014年の集団的自衛権に関する憲法解釈の変更と2015年の安全保障関連法の再改正により、自衛隊の実際の軍事活動において既に現行憲法が大きな制約を加えていないという点も背景として作用しています。これは、自衛隊の国防軍への変更の有無が、安全保障の側面では大きな違いがないことを意味します。言い換えれば、現行憲法の平和主義の性格は、既に事実上無力化されています。したがって、戦力(軍隊)ではなく自衛隊の存立根拠だけを追加し、自衛隊を違憲性から脱却させるだけでよいというのが、自民党主流派の立場であると見ることができます。

集団的自衛権に関する憲法解釈の変更よりも、憲法第9条の改正を通じて集団的自衛権の公式化を好んでいた石破氏にとって、安倍主流派の第9条維持と第9条の2における自衛隊根拠規定の追加という試みは、安全保障に対する便宜的な迂回策としてしか映り得ません。

日本政局と憲法改正の可能性

2017年5月、安倍首相が2020年の新憲法施行を目標として提示した際、2017年秋の臨時国会に自民党中心の憲法改正案を提出し、両院の審議を経て発議後、2018年上半期に国民投票を実施するという日程を念頭に置いていました。しかし、2017年に浮上した森友学園問題、加計学園問題、稲田朋美氏をはじめとする閣僚らの不適切な言動により内閣支持率が低下し、7月の東京都議会議員選挙で自民党が大敗するという危機に直面しました。これに対する突破口として、2017年下半期、安倍首相は衆議院解散と総選挙を選択しました。衆議院早期解散・総選挙の実施により憲法改正の日程は遅延しましたが、衆議院選挙の結果、改憲勢力が2/3以上を維持することに成功したことで、憲法改正の勢いは維持されました。

今年の自民党内における安倍主流派の構想は、3月の党大会前に党内憲法改正議論を締めくくり、その後総務会を通じて党論を確定し、秋の臨時国会で改正案を発議し、2019年上半期に国民投票を実施するというものでした。自民党が3月25日の党大会を期日として党内憲法改正議論を締めくくろうとした理由は、日程のためです。遅くとも2019年の参議院選挙で憲法改正国民投票が同時に行われるべきだという判断からです。内閣に対する高い支持率を基盤に憲法改正を推し進めようとする意図がうかがえます。

しかし、3月2日の森友学園関連の改ざん問題が浮上した後、安倍政権は揺らぎ始め、内閣支持率も急激に低下しました。このような状況下で党大会が開催されました。去る3月25日、東京グランドプリンスホテル新高輪で開催された自民党第85回定期党大会において、安倍首相はアベノミクスの成果や生産性向上、賃金上昇、農業改革、観光振興などの政策課題について自画自賛を並べた後、自衛隊の違憲性問題を解消するための憲法改正の必要性について力説して演説を終えました。

しかし、党大会当日、石破元幹事長は憲法改正に関する党内意見集約手続きについて疑問を呈しました。次世代のリーダーと目される小泉進次郎氏も、森友学園事件で生じた政権の信頼失墜問題に言及し、国民の信頼なくして憲法改正はないと明言しました。

憲法改正は安倍政権の政治的安定性と直結した問題です。安倍政権に対する高い支持率は、安倍首相の指導力に対する自民党内の高い求心力に支えられていましたが、現在安倍首相はその求心力を徐々に失いつつあります。今年の初めまでは、9月に行われる自民党総裁選挙での安倍首相の勝利は当然のことと見られていましたが、もはや確信できない状況になりつつあります。このような日本国内の政治状況は、憲法改正の可能性をさらに暗いものにするでしょう。■


著者

イ・ジョンファンソウル大学教授。カリフォルニア大学バークレー校で政治学博士号を取得。主な研究分野は日本政治経済と日本外交。


【EAI論評】は、国内外の主要な事案について、様々な分野の専門家が深い分析を通じて意見を表明し、政策的な提言を発表できる議論の場を設けることを目的として企画された論評シリーズです。引用する際は、必ず出典を明記してください。EAIは、いかなる政派的利害とも無関係な独立した研究機関です。EAIが発行する報告書、ジャーナル、単行本に掲載された主張や意見は、EAIとは無関係であり、あくまで著者個人の見解であることを明示します。

*この本文は韓国語で書かれた原文を AI で翻訳したものです。一部の翻訳やニュアンスに誤りがある場合があります。

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