【世論ブリーフィング第74号】2010年地方選挙の主要アジェンダと国民世論
EAI・韓国リサーチ企画「地方選挙D-60」
2010年地方選挙のアジェンダ分析枠組み:プライミング効果とフレーミング効果
本章では、政治コミュニケーション研究においてメディアが大衆世論に与える影響を分析する概念であるフレーミング効果(framing effect)、プライミング効果(点火効果、priming effect)の概念を活用し、2010年地方選挙の主要アジェンダを分析する。
最近の選挙分析記事や学術研究論文において、フレーミング効果(framing effect)の概念を活用した分析が拡散している。今回の地方選挙過程においても、チョン・ドゥオン、ハンナラ党選挙企画団長自らが「今回の地方選挙で選挙フレームを『ハンナラ党=経済成功勢力 対 民衆党=経済の足枷勢力』の戦いと規定する」(聯合ニュース 2010/02/21)と表現するほど、政界の言説においてもフレーム(frame)あるいはフレーミング効果(framing effect)の概念が容易に見られるようになった。
フレーミング効果とは、特定の議題が持つ多様な側面のうち、メディア(あるいは政界)がその議題で浮き彫りにする側面や、議題を提示する方式(the way to be presented)によって大衆の認識が影響を受ける現象を指す(ミンヨン 2008)。例えば、対北朝鮮支援問題の場合、北朝鮮との協力を強化し開放を誘導する肯定的な側面と、北朝鮮の誤った体制を延命させる否定的な側面があり得るが、主に進歩メディアが前者の側面を強調する「太陽政策」のフレームで問題にアプローチするならば、保守メディアの場合、後者の「ばらまき」フレームで対北朝鮮支援問題を扱っていると言える。大衆が頻繁に接したフレームの影響によって対北朝鮮支援問題を認識する際に、フレーミング効果が発生したと言える。
実際にこれまでの選挙過程を振り返ると、「中間評価」アジェンダを中心に与党と野党の間でフレーム競争が現在の選挙局面を左右していると評価できる。中間評価を通じて現政府の過去2年間の失政に対する審判と政府の独走を牽制しようというのが民衆党が掲げる中間評価フレームであるならば、政府・与党が持続的な経済成長と国政安定を成し遂げられるよう現政府に力を与えようというのがハンナラ党の中間評価フレームである。
一方、プライミング(priming effect)とは、多様に競争する議題の中で特定の議題が有権者の判断と選択に影響を与える要因として浮上する現象を指す。1991年の湾岸戦争当時、メディアが湾岸戦争関連の記事を大量に流していた時期、当時のブッシュ大統領は高い支持率を享受していたが、報道の関心が経済沈滞問題に集中するようになり、国民が τον大統領を評価する基準が経済沈滞問題に変わり、結果的に大統領支持率も急激に下落した。これはプライミング効果の代表的な事例として引用される(Erikson and Tedin 2005)。すなわち、多様な議題の中でメディアや政界によって特定の議題が浮き彫りにされ、有権者の判断と選択基準として作用する時、その議題を「点火された議題(primed agenda)」と呼ぶことができる。
現在の地方選挙では、中間評価・政権審判・候補者一本化アジェンダや世宗市、ハン・ミョンスク元首相公判、4大河川など、多様な議題が登場している。本報告書は、現在の与野党対決が中間評価論の性格規定を巡る与野党間のフレーム競争として理解できるが、今後、与野党は自身に有利なアジェンダが有権者の投票基準として点火されるよう浮き彫りにしていくプライミング競争へと中心が移動すると展望する。
本報告書は、今後「地域経済」アジェンダが、中間評価、候補者一本化、世宗市など、既に点火されたアジェンダと競争し、選挙局面を左右するアジェンダ(primed agenda)として浮上する可能性を提起する。選挙日程が本格的に始まるにつれて地域発展アジェンダが浮上する場合、既存のアジェンダとプライミング競争を繰り広げ、その中でどの議題が有権者の投票基準として浮上するかに応じて、有権者の投票選択が大きく変わる可能性があるというのが本報告書の核心メッセージである。
報道頻度から見た地方選挙アジェンダ
ポータル提供ニュース「地方選挙の変数」総2257件の分析(検索範囲 2010.1.1~4.7)
世宗市 821件(36.4%) > 候補一本化 444件(19.7%) > 親李親朴 391件 (17.3%)
メディアによる各アジェンダ別ニュース記事の頻度を比較するため、NAVERニュース検索機能を利用してキーワード検索でヒットする記事件数を集計した。「地方選挙の変数」を基本キーワードとして、該当アジェンダのキーワードを追加して検索する際に集計される記事件数である。精巧な方法論に基づいた集計ではないが、言論が注目する地方選挙アジェンダ別の露出傾向は十分に確認される。分析結果は[表3]で確認できる。
■ 点火されたイシュー(primed agenda):中間評価、世宗市/ハン・ミョンスク/4大河川/親李-親朴対立
民主党の「中間評価-政権審判-候補一本化論」のメディア露出上位ランク
最多頻度順に見ると、「世宗市」のイシューが821件で、全体の検索記事件数2,257件の36.4%を占め最も多かった。次に「候補一本化」キーワード検索記事が444件で、こちらも2,257件中19.7%であった。3番目は「親李親朴」キーワードで検索された記事であり、計391件(17.3%)を記録した。その後に「韓明淑」公判336件(14.9%)、「政権審判」論252件(11.2%)、「4大江」243件(10.8%)、「中間評価」論205件(9.1%)などが上位露出記事として現れた。
一方、ハンナラ党が提起した「国政安定論(84件、3.7%)-経済成長論(42件、1.9%)-経済活性化(51件、2.3%)」のフレームは、民主党の選挙フレームである政権審判アジェンダおよび候補一本化アジェンダの検索記事件数に大きく及ばない。イシューにおいても、民主党が攻勢的な立場をとった世宗市、4大江、無償給食イシューがメディアに露出された頻度に比べ、ハンナラ党が主導する経済活性化、南北首脳会談、教育改革イシューはまだメディアの関心をあまり集められていない。
民主党および野党が提起するアジェンダのメディア露出頻度が高いのは、部分的にはオンラインポータルが提供するニュース媒体に、進歩性向のオンライン媒体が過剰代表されている影響であるという反論もありうる。しかし、今年進歩および保守性向の日刊紙、経済紙、週刊紙の地方選挙の変数に関する特集記事39件の内容を分析・比較した結果、進歩・保守性向を問わず、ほとんどのメディアでも地方選挙の変数として中間評価論-政権審判論-候補一本化、世宗市および4大江イシュー、親李親朴派閥争い、韓明淑元首相公判を共通して挙げている記事が大多数であった。
[表1] NAVER提供メディアニュース「地方選挙の変数」別キーワード検索件数
■ 地域発展アジェンダへの関心は低い
民主党と野党が主導してきた地方選挙フレームを構成する「中間評価-候補一本化-政権審判論」と、親李対親朴の与野党対立、世宗市/4大江などの中央政治レベルの主要政治争点に対するメディアの並々ならぬ関心が確認される。しかし、地方選挙が持つ地方政治固有の役割であり本来の機能である地域発展のビジョンを 마련し、地域政治をリードするエリートを補充する役割については、メディアはもちろん、選挙を準備する各政党でも関心が微弱である。「地域経済」「地域発展」「地域開発」などをキーワードに検索した場合、それぞれ71件、115件、39件にとどまり、分析に含まれた全体記事件数2,257件の5%を超えなかった。一部の中央経済紙と大邱、江原地域の地方紙を中心に地域レベルの世論調査を紹介し、地域住民の関心が地域経済活性化と地域懸案に集まっており、地域レベルの変数が投票選択の主要アジェンダになるものと見ている。
国民世論から見たアジェンダ分析
1. 点火されたアジェンダ(primed agenda)と国民世論
候補一本化-政権審判論、中間評価論 / 世宗市・無償給食
政権審判論を今回の地方選挙の最大アジェンダと見る傾向は、進歩性向のメディアはもちろん、保守性向のメディアでも一貫して確認される。大統領の相対的に高い支持率やハンナラ党の政党支持率優位により、政権審判論の威力が半減するという分析も皆無ではない(SBS 2010/02/20)。しかし、大統領任期の中盤から後半にかけて実施された1995年、2002年、2006年の地方選挙で例外なく現職与党の敗北につながった経験が、各政党はもちろん、ほぼ全てのメディアが中間評価、政権審判論と候補一本化の成否に注目させる要因となったようだ。しかし、本調査結果を分析してみると、候補一本化への共感が大きいという点でその波及力は少なくないだろうが、その波及力を制限する相殺要因もバランスよく考慮する必要がある。
■ 政権牽制論と野党圏候補一本化論への共感
野党連合候補一本化、共感 53.3% vs. 非共感 39.5%、不明/無回答 7.2%
今回の調査で、野党連合が地方選挙で候補一本化を成し遂げるべきだという主張についてどう思うか尋ねた結果、全体の回答者の53.3%(非常に共感 21.0%、概ね共感 32.3%)が共感すると答え、39.5%(あまり共感しない 28.8%、全く共感しない 10.7%)が非共感すると回答し、多数の共感帯を確認できた。
このような世論の共感帯に基づき、野党は野党一本化候補さえ選出されれば勝機があるという認識の下、年初から「5+4合同会議(5党+4市民団体)」を組織し、候補一本化の議論を進めてきた。しかし、選挙連帯の原則を巡り、進歩新党は早期に議論から離脱し、現在全国レベルでの候補一本化議論は成果なく一旦終息した状況である。ただし、慶南および京畿道知事選挙を中心に、残りの野党が候補一本化議論の火種をつないでいる状況であり、劣勢地域では選挙終盤まで一本化候補への期待を捨てがたいだろう。
[図1] 野党連合一本化候補論に対する共感度(%)
■ 野党圏一本化効果の相殺要因
野党支持層内の統一に対する温度差
MB批判層、進歩層、民主党支持層の共感度↑、民主労働党支持層 45.4%、無党派は冷淡 39.9%
進歩性向および野党支持層で候補一本化に対する共感度が高い。李明博(イ・ミョンバク)大統領の国政運営に肯定的な層では野党連合候補一本化に共感した割合が47.5%であったが、否定的に評価している層では60.2%と高かった。イデオロギー的に見ると、保守層や中道層ではこれに共感する割合がそれぞれ49.4%、50.8%であったが、イデオロギー的進歩層では63.6%が野党連合候補一本化に共感するものと示された。
政党支持別に見ると、与党であるハンナラ党支持層では46.7%が共感を示した一方、候補一本化議論を進めてきた5つの野党支持層では政党別に共感度が異なって現れた。民主党支持層では実に71.8%が、進歩新党支持層で83.8%、国民参与党支持層で92.3%が候補一本化の必要性に支持を示したが、民主労働党支持層では45.4%、創造韓国党支持層では29.9%が共感を示した。
野党連合候補一本化の破壊力をさらに弱めるもう一つの相殺要因は、無党派層が野党連合一本化候補論に対して冷笑的である点だ。無党派層における野党連合一本化候補論への共感は、全体平均(53.3%)を大きく下回る39.9%に過ぎず、共感しないという回答が45.7%であった。
[図2] 政治性向別 野党連合一本化候補論の共感度
注)候補一本化に関する不明/無回答は表記しない
■ 牽制論か?安定論か?MB独走牽制論が僅かに優勢、保留的立場が変数
安定的な国政支援 27.8% vs. MB牽制論 39.2% vs. 不明 33.0%
現在の与党は経済活性化のための国政安定論を、野党は政府与党に対する審判と牽制論を掲げ、激しい競争を繰り広げている。その力の均衡が崩れる時に票の偏りが生じる。しかし、現時点では非対称的な均衡が維持されている状況である。「安定的な国政運営のために与党を支持しなければならない」という主張に対しては27.8%が同意したが、「李明博大統領とハンナラ党の独走を防ぐために野党を支持しなければならない」という主張に対しては39.2%が同意した。大統領とハンナラ党の独走に対する牽制世論が先行することで、ハンナラ党優位の選挙局面を揺るがす変数となりつつある。しかし、牽制論への支持が40%水準にとどまっており、保留回答が33.0%もある点は見過ごせない。流動的な要素が残っている。
首都圏+忠清+湖南でMB牽制論↑、嶺南有権者中の安定論支持 36%にとどまる
立場保留層の態度変化が変数
概して現政府与党の基盤である嶺南地域では安定論が優勢であり、湖南と忠清など反ハンナラ党感情が強い地域と首都圏地域で牽制論の世論が相対的に高かった。安定的な国政運営のために与党を支持しなければならないという主張は、与党の地域基盤である大邱・慶北で36.4%、釜山・慶南でさえ36.2%の支持にとどまった。ソウルでは30.9%、京畿・仁川地域では27.5%で、首都圏でも安定論への支持は高くなかった。現在、現政府に最も批判世論が高い大田・忠清で16.5%、湖南では7.8%にとどまった。
大統領と与党の独走を防ぐために野党を支持しなければならないという牽制論は、湖南有権者層で67.4%と最も高く、大田・忠清地域で43.0%、ソウル地域で43.0%、京畿・仁川地域で38.9%の順であった。釜山・慶南地域では28.6%、大邱・慶北地域の回答者の場合、牽制論に同意する割合が20.1%にとどまった。ハンナラ党の全国平均支持率(34.5%)を上回るソウル(40.4%)と京畿・仁川地域(36.0%)で牽制論が強いことは、野党連帯の拡散に有利な条件として作用する見通しである。
[図3] 牽制論対安定論に対する地域別選好(%)
政治的求心力「安定論が強い」:安定論者 82.7%が支持、牽制論者 45.2%のみ民主党支持
立場保留層では野党連合候補一本化に反感が強く、共感 36.5% < 非共感 49.6%
今回の選挙競争の核心フレームとなる安定論と牽制論のうち、牽制論に対する世論がやや優勢だが、こうした雰囲気がそのまま各政党の得票力にどの程度つながるかも変数である。これに関連してはハンナラ党がやや有利な状況である。
安定論支持者の場合、実に82.7%が現在ハンナラ党を支持していることが示され、安定論は政治的求心力が強かった。一方、MB政府牽制論の立場を持つ回答層では、政党支持の分散度が高い。牽制論者のうち45.2%が民主党を支持していると明らかにし、残りの過半数は支持政党が分かれている。したがって、自身が支持しない政党への一本化議論が進展する場合、どの程度牽制論者が化学的に統合されるかは疑問である。
一方、どちらの立場も選択しなかった立場保留層の政党支持性向でハンナラ党支持が24.7%と最も高く、民主党支持者は14.2%にとどまった点も、野党候補一本化が成立してもその威力を半減させる要因として作用するものと見られる。特に安定論と牽制論のうち立場を決めかねている保留層が野党候補一本化論に対して冷笑的であることも、野党候補一本化論への圧力とその効果を相殺させる要因となる見通しである。立場保留層で野党連合候補に共感する割合は36.5%で、共感しないという割合49.6%に大きく及ばない。
[表2] 安定論対牽制論の立場別政党支持分布(%)
[図4] 安定論対牽制論の立場別候補一本化論の共感度(%) 注)候補一本化に関する不明/無回答は表記しない
2. 潜在的な地域経済アジェンダ、点火(priming effect)の可能性
■ なぜ地域発展アジェンダは潜在化したのか?:「MB政府中間評価論」に埋もれた「地域経済イシュー」
メディアへの露出だけでなく、国民世論を見ても、地域政治レベルでの選挙争点は潜在化している。今回の調査結果を分析してみると、現在、各政党とメディアがこれに注目していないため、有権者の判断基準となるイシューとしてプライミング効果が生じていないだけで、地域経済アジェンダは各候補/政党の対応次第で核心アジェンダとして浮上する可能性が大きい。
過半数に達する有権者が今回の統一地方選挙を地域発展のために地域の実力者を選ぶ選挙と見なしており、中間評価論の視点から中間選挙を見る立場と真っ向から対立している。各政党の支持基盤となる地域で、その政党が掲げる選挙フレームとは異なる認識が広がっている。実際に、ほとんどの回答者が現政府発足後、首都圏が経済的恩恵を受けたのに対し、「我が地域が経済的に疎外されている」という相対的剥奪感が首都圏を除く全地域に広がっている。したがって、このような地域疎外意識と地域経済発展に対する有権者の願いが、各政党と候補者の積極的なイシュー化の如何によって、政権審判論と共に核心的な選挙変数として浮上する可能性がうかがえる。
■ 与野党対決:プライミング競争からフレーミング競争への転換
初期競争:「中間評価=政権審判論(野)」対「地域発展(与)」アジェンダのプライミング競争
現在:「中間評価=政権審判論(野)」対「中間評価=経済成長勢力を後押し(与)」のフレーム競争
野党が「中間評価=政権審判論」の観点から選挙の性格を規定し、一貫して対応してきたとすれば、ハンナラ党の場合、世宗市修正案などで与党内の内紛に巻き込まれ、今年の初めまでこれといった統一地方選挙のフレームを打ち出せなかった。ただ、野党の中間評価アジェンダに対し、地域発展のための地域の実力者を選ぶ選挙という地域発展アジェンダを掲げるレベルにとどまった。したがって、この時期の与野党競争は、「野党の中間評価アジェンダ」と「与党の地域アジェンダ」が、それぞれ統一地方選挙の核心アジェンダとして浮上させようとするプライミング競争が中心であった。
しかし、2月21日の選挙100日前を機にハンナラ党選挙企画委員会が発足して以来、ハンナラ党は野党の政権審判論に対し、別の(地域発展)アジェンダで対応するのではなく、「政権審判論=中間評価」と解釈する野党の中間評価フレームに対し、与党式の中間評価フレームを掲げて正面対決する様相に変化している。すなわち、ハンナラ党は統一地方選挙企画団の発足を機に、統一地方選挙を2012年の大統領選挙、総選挙を前に繰り広げられる「経済成長勢力」対「経済の足を引っ張る勢力」の前哨戦であり、これらの勢力に対する中間評価と再定義し、「持続的な経済活性化のために現執権与党を支持し、安定的な国政運営」の足場を 마련しなければならないという立場をより強調し始めている(中央日報 2010/02/22)。今や民主党式中間評価論に対し、ハンナラ党式中間評価論で対抗する構図に転換したのである。すなわち、「中間評価」の意味をどのように規定するのかというフレーム競争が本格化したと見ることができる。
このようなハンナラ党の選挙戦略の変化は、守勢的な側面と攻勢的な側面の両方を反映したものと見られる。まず、先に見たように、与党の地域経済論、地域実力者アジェンダが野党の中間評価、政権審判アジェンダとのプライミング競争で後れを取ったため、選挙局面の主導権を取り戻すためには、どのような形であれ対応戦略の変化が必要だったと言える。攻勢的な側面では、歴代の統一地方選挙とは異なり、現職大統領の高い支持率、政党支持率の優位性を考慮すると、「中間評価=政権審判」という野党の論理ではなく、「中間評価=経済を活性化させる政府・与党を後押し」というフレーム競争が可能であると判断した結果と言える。
事実、「中間選挙」本来の意味は、必ずしも執権与党に対する審判という側面だけがあるのではなく、今後現政府がより力強く仕事ができるように後押しする再信任の側面もあり得る。政府・与党が見せた実績に対して有権者の評価が否定的である場合、政府に対する審判(retrospective punishment)につながり得る。逆に、中間選挙の時期まで政府と執権党の評価が友好的で、有権者から今後よりうまくやるだろうという展望的期待(prospective expectation)が形成される場合、中間選挙は再信任の契機となり得る。野党の中間評価フレームが、政府・与党が見せてきた独走と失政を選挙を通じて審判しようとする、回顧的・否定的な評価に基づいた中間評価フレームであるならば、ハンナラ党式中間評価論フレームは、政府と与党が見せた経済的成功に対する報酬と、経済をよりうまく導くだろうという展望的期待に基づいている。
問題は、この過程で統一地方選挙が持つ、地域発展を願う地域有権者の期待と、それを実現するための競争という意味が色褪せていることである。メディアの関心が主に中間評価・審判論に集中し、地域発展イシューを提起したハンナラ党が核心選挙のアジェンダをハンナラ党式中間評価論に移したことで、地域発展アジェンダはさらに関心の領域から消え、プライミングされないままでいる。今回の調査結果は、現在潜在している地域発展アジェンダが、今後の選挙運動過程を経て、中間評価論や他のアジェンダと競争する可能性を示している。すなわち、選挙運動が本格化すれば、中間評価フレーム競争の中で再び複数のアジェンダ間のプライミング競争が再点火される可能性があるということである。
■ 「地域経済」アジェンダのプライミング要因
では、今回の調査結果は、終始一貫して中間評価アジェンダ一つで説明可能だろうか?今回の調査結果を分析してみると、そうではないというのが本研究チームの主張である。国民世論を見ると、メディアと各政党が注目してきた選挙アジェンダとフレームが、果たして世論をどれだけ反映しているのか、実際の有権者が与野党及びメディアが注目する中間評価の観点だけで今回の統一地方選挙で投票選択をするのか疑問に思われるからである。むしろ、選挙が本格化し、中央政治的要素と共に地域レベルの政策争点が浮上する場合、現在国民が抱いている地域経済及び地域発展に対する期待と不満が大きく活性化される余地がある。
- 6.2 統一地方選挙の意味:「地域の実力者を選ぶ選挙」49.9% vs. 「MB政府中間評価」44.2%
「地域実力者論」は湖南で最も高く56.3% > PK 55.5% > 忠清 51.9% > 仁川 50.7% の順
「MB政府中間評価論」はソウル 51.4% > 江原/済州 48.5% > TK 46.8% > 湖南 42.5% の順
調査結果によると、メディアと政界の論争は主に中間評価論・政権審判アジェンダを中心に展開されているが、これは国民世論とはかけ離れていると言える。今回の6.2統一地方選挙の意味を問う質問に対する回答を見ると、政界と主要メディアは「中間評価論」に固執しているが、当の国民の間では中間評価論と地域発展を導く地域の実力者を選ぶ選挙という認識が真っ向から対立している。「6.2統一地方選挙が『地域の実力者を選ぶ選挙』」という立場が49.9%、「李明博(イ・ミョンバク)政府の中間評価の場」という主張が44.2%となった。不明/無回答は6.0%となった。
2010年1月13日の調査結果も同様の結果を示している。当時の結果も「地域の実力者を選ぶこと」46.9%、「政権中間審判論」46.5%と拮抗していた(MBC 2010年1月13日報道)。無能な中央政府に対する審判論が力を得ていた4年前に比べ、地域発展を導く実力者を選ぶ選挙という統一地方選挙本来の意味に重きを置く世論が過半数に達している点に注目すべきである。
[図5] 有権者が見た6.2統一地方選挙の意味(%)
地域別に見ると、注目すべき結果が多い。まず、反政府世論が強い湖南と忠清地域で、中間評価論の立場よりも地域の実力者を選出する選挙という地域発展レベルでの意味付けが大きい点である。湖南地域でMB政府中間評価という回答は42.5%にとどまったのに対し、地域の実力者を選出する選挙という回答が56.3%と、他の地域に比べて突出して高かった。世宗市修正案に反発が大きい大田/忠清地域の回答者も、41.0%しかMB政府に対する中間評価論に同意しなかった。
一方、現政府の支持基盤である嶺南地域では、TK地域とPK地域で温度差が確認される。PK地域では、38.2%しかMB政府中間評価という立場ではなく、地域の実力者を選出する選挙という回答が55.5%と2番目に多かった。一方、TK地域回答者はMB政府中間評価論への同意が46.8%と、ソウル・江原に次いで3番目に多く、地域の実力者を選ぶ選挙という立場には42.9%しか同意しなかった。TK地域でMB政府中間評価論が多いのは、世宗市修正案論争過程で逆差別世論が広がり、政府と与党に対する不信が大きくなったことも一因と見られる。
一方、首都圏のソウルと京仁(キョンイン)地域有権者の間でも立場の違いが鮮明に現れている。ソウル地域の場合、MB政府中間評価論が過半数を超える51.4%の支持を受けたのに対し、43.9%が地域の実力者を選ぶ選挙だと回答した。一方、京仁地域の場合、42.2%しかMB政府中間評価論に同意せず、地域実力者論には50.7%が支持を示した。同じ首都圏であっても、相対的に開発が遅れた地域が点在する京仁地域の場合、地域発展に対する有権者の要求が高い。江原/済州地域では、MB政府中間評価論と地域発展のための実力者を選出するという立場が拮抗していた。それぞれ48.5%と49.1%の支持を受けた。
総合すると、統一地方選挙の性格規定において、地域発展の観点から見る視点と、現政権に対する中間評価として見る認識が、拮抗した均衡状態を維持している。統一地方選挙の特性上、地域政策に対する与野党間の攻防が必要であり、現在、地域アジェンダを重視する世論の規模が過半数に迫っていることを考慮すると、選挙運動が本格化するにつれて、地域発展アジェンダのプライミング可能性は高まると予想される。
- 地域経済の不均衡な発展:首都圏発展 vs. 嶺湖南/江原済州/忠清の停滞
最大恩恵地域:ソウル 38.4% > 忠清 11.0% > 嶺南 9.7% > 京仁 8.3%
最大疎外地域:湖南 22.1% > 嶺南 14.4% > 江原/済州 11.6% > 忠清 11.3%
全体的に見ると、現政府下で最も経済的に恩恵を受けた地域を質問した結果、回答者の38.4%がソウルを、8.3%が仁川/京畿(キョンギ)を挙げ、合計46.7%が首都圏を恩恵地域と考えている。世宗市修正案推進過程で各種支援策を発表した忠清地域を恩恵を受けた地域として挙げた回答も11.0%で、ソウルに次いで2番目に高かった。TKを挙げた回答は5.1%、PKを指摘した回答は4.6%であり、これらを合わせると9.7%の回答者が嶺南を経済的受益地域として挙げたことになる。京仁を受益地域として挙げた回答が8.3%となった。湖南を指摘した割合は1.0%、江原/済州を指摘した回答は0.2%と非常に低かった。
一方、現政府下で最も経済的に疎外された地域を挙げてもらう質問に対する全体の回答割合は、湖南 22.1%、江原/済州 11.6%、忠清 11.3%、TKとPKがそれぞれ7.2%で続いた。両地域を嶺南圏でまとめると、現政府発足後、経済的に疎外された地域として嶺南を指摘した割合が14.4%で、湖南に次いで2番目に高いことになる。経済的に疎外された地域として京仁地域を挙げた世論は3.3%、ソウルを挙げた回答は2.0%に過ぎなかった。
全体の回答者の平均を見ると、現政府発足後、経済的に最も恩恵を受けた地域としてはソウル及び京仁/忠清圏/嶺南圏の順となり、最も疎外された地域としては湖南圏/嶺南圏/江原済州/忠清圏の順となった。忠清圏と嶺南圏については、恩恵を受けたという認識と疎外されたという認識が共存する。これは忠清居住者及び嶺南圏居住者と他の地域居住者間の視覚差を示唆している。
[図6] 現政府で最も経済的恩恵を受けた地域と最も疎外された地域
- 地域経済による相対的剥奪感と疎外意識
地域別に見る最大恩恵地域、ソウル1位
地域別に現政府で最も恩恵を受けた地域と疎外された地域をどのように見ているか分析してみると、示唆するところが大きい。まず、恩恵を多く受けた地域としては、全ての地域でソウルを挙げた回答が圧倒的に多かった。図と表で確認できるように、一部地域で京仁と忠清、嶺南地域(TK+PK)を恩恵を受けた地域として挙げた回答があったが、ソウルに比べて相対的に少なく、江原/済州地域を挙げた回答はほとんどなかった。ソウルを最も恩恵を受けた地域として挙げた回答は、忠清回答者の間で最も高く49.3%であり、残りの地域回答者の間では35.3%~38.8%の指摘を受けた。
ソウル地域居住者の現政府時期にソウルが最も恩恵を受けた地域だと答えた回答が37.2%と、他の地域に比べて最も高い割合を示している。現政府の受益地域としてソウルの次に多く回答が出たのは忠清圏である。特にTK地域とソウル地域回答者の間で忠清圏が恩恵を受けたという回答が相対的に高かった。それぞれ17.7%、14.7%と平均を上回った。TKの場合、世宗市修正案論争過程で逆差別論に対する不満世論が最も強い地域の一つとして知られている。
ソウルの次に恩恵を受けた地域として忠清圏の代わりに嶺南圏を指摘した回答も少なくなかった。大統領とハンナラ党の地域基盤と分類されるPK地域では、ソウルの次に嶺南圏を受益地域として挙げた回答が13.6%(TK 8.1%、PK 5.5%)と高かった。一方、湖南と忠清圏の回答者は、忠清地域よりも嶺南を恩恵地域として挙げた回答が多かった。湖南回答者はなんと20.4%(TK 9.1%、PK 11.3%)が嶺南地域が恩恵を受けていると答え、忠清地域では9.1%(TK 6.7%、PK 2.4%)となった。
「我が地域が最も疎外された地域」- 湖南/忠清/TKの被害意識が大きい
一方、最も経済的に疎外された地域を挙げてもらう質問については、首都圏を除くほとんどの地域で、自身の地域が最も疎外されているという被害意識が強いことが分かった。現政府発足後、経済的に最も疎外された地域として自身が居住する地域を挙げた回答割合は、湖南の66.9%、TK 53.1%、忠清 45.6%で最も高かった。ただし、PKもPKを経済的疎外地域として挙げた回答が最も多かったが、その割合は39.7%と相対的には低かった。ソウルが全国で最も疎外されていると答えたソウル回答者は6.3%、京仁地域を挙げた京仁地域回答者は9.4%に過ぎず、首都圏では経済的疎外意識が大きくないことが分かる。ソウル回答者は現政府で経済的に疎外された地域として湖南 24.4%、江原済州 9.9%、忠清 8.6%の順に挙げ、京仁地域では湖南 18.8%、忠清 13.5%、京仁 9.4%、江原済州 8.3%の順となった。
前述したように、湖南(ホナム)とTK(大邱・慶尚北道)地域を中心に、従来の伝統的な政治的態度とは異なる世論が確認されている。これらの地域が主に経済的疎外感を強く抱いていることが示されていることから、こうした被害意識が既存の政党支持や政治的態度の変化に影響を与えた可能性に注目する必要がある。もし、自己の地域経済に対する不満と疎外意識が、その地域を代表する政党への支持撤回や他の政党への支持離脱につながる場合、既存の地域政党体制には相当な変化が予想される。湖南およびTK地域からの離脱規模を分析することも、今回の選挙の重要な観戦ポイントとなる見通しである。
[図7] 最も恩恵を受けた地域
[図8] 最も疎外された地域
[表3] 最も経済的に恩恵を受けた地域:各地域別回答比較(%)
[表4] 最も経済的に疎外された地域:各地域別回答比較(%)
■ 中間評価フレーム競争と共に地域発展のビジョン提示を並行すべき
フレーム競争よりプライミング競争が重要になり得る
実際に、2008年の総選挙過程で首都圏を中心に吹いたいわゆる「ニュータウン」ブームも、よくよく調べてみると「地域経済」問題が有権者の投票選択に変数として浮上していることを象徴的に示す出来事であった。統一地方選挙では、大統領選挙や総選挙に比べ、地域経済のアジェンダに対する有権者の関心は大きいことはあっても小さくはないと判断される。実際の今回の調査で、政界とメディアが中間評価論に注目するよりも、有権者は地域経済及び地域発展アジェンダに関心を持っている。また、与野党の核心支持基盤であるTK/湖南/忠清圏有権者の経済的疎外意識が非常に大きいことが示され、統一地方選挙日程が本格化し、各候補陣営間の地域経済関連政策競争が本格化する場合、このアジェンダが投票変数としてプライミングされると予想される。
このように、現在の「中間評価論」を巡る政権審判論への賛否が選挙対決構図を決定する場合、大統領に対する評価と支持政党によって投票行為は決定され、選挙は大きな変数なく終わるだろう。しかし、地域発展イシューが新たに選挙アジェンダとして浮上し、政権牽制論イシューと競争する場合、国民の間で両イシュー共に一貫したハンナラ党支持者、一貫した民主党支持者以外にも、イシュー別に支持する政党が異なる、相反する有権者が発生し得る。これらの場合、特定のイシューに対する選挙フレームよりも、どのイシューが投票を決定する核心イシューとして浮上するかが重要な変数となる。すなわち、フレーム戦争よりもプライミング戦争が重要になる状況が起こり得るのである。
ハンナラ党の場合、中央政府及び大多数の地方政府の執権党であることから、地域経済及び地域開発イシューが浮上する場合、民主党や野党に比べて相対的に有利である。核心支持基盤である嶺南、特にTK地域を中心に、地域有権者が地域経済の停滞による相対的剥奪感と強い疎外意識を持っており、首都圏ハンナラ党支持層でも中間評価及び政府・与党の独走に対しては反対世論が感知されている。現在の国政安定論だけではTK地域の得票力は弱化せざるを得ず、政府牽制論に対する対策がない場合、ソウル地域の支持層の離脱を経験することになり得る。
民主党も、民主党支持率の高い湖南と忠清圏で地域発展に対する強い期待が確認されており、首都圏支持層では政権牽制論への共感が高まる一方、世宗市移転については反感を抱いている。政府審判論だけを固執する場合、地域発展のビジョンを願う湖南と忠清有権者の結集が弱まる可能性があり、政権牽制を願う首都圏支持層の拡大は可能であっても、首都分割を懸念する首都圏支持層の離脱が起こり得る。
結局、このように特定のイシューが今回の選挙を左右するのではなく、多様なアジェンダが競争する状況であれば、各政党の対応も該当アジェンダ別に独自の政策代案を 마련することが重要に見える。2006年のように政権審判論が支配する場合であれば、そのアジェンダに全てを賭けることが戦略的選択となるが、2010年の統一地方選挙が複数のアジェンダが互いに競争する構図になるならば、政党に求められる選択は、全てを賭けるのではなく、多様な戦線別に政策ポートフォリオを準備することになるだろう。
イシュー影響力分析:世宗市 / 無償給食
1. 世宗市修正案支持の弱化傾向
世宗市修正案賛成 50.4%(11月)→47.6%(2月)→45.3%(3月)
去る2月、修正案の内容が具体化された後、激しく親李(イ)対親朴(パク)陣営間の対立を生んだ世宗市イシューの場合、ハンナラ党内での議論が3月末まで期限として活動中の重鎮協議体を中心に進められ、党内紛争は一旦水面下に沈んだ。政府も3月23日に政府修正案を国会に提出し、政治圏にボールを渡し、国会での議論過程を見守っている状況だが、現在、天安艦沈没事件などで中心イシューとして登場していない。
現在の国民世論は、世宗市修正案が出された昨年11月時点に比べ、持続的に修正案に対する支持世論が弱まっている状況である。11月の調査では50.4%が修正案賛成、31.4%が原案賛成、18.2%が回答を保留したが、今回の調査では修正案賛成は45.3%、原案賛成は33.7%、回答保留回答は21.0%となった。大きな幅の変化ではないとしても、修正案支持から離れた世論が原案支持や回答保留へと動いている傾向を見せている。重鎮協議体の活動が完了し、早期に世宗市修正案通過を期待する政府としては負担となる部分である。
[図9] 世宗市政策選好度変化(%)
■ 大邱・慶北世論 - ハンナラ党支持だが政策には拒否反応
地域別標本数が少なく解釈に限界はあるものの、地域別世宗市(セジョンシ)の変化推移を見ると、ソウル54.7%、釜山/慶南/蔚山49.7%、京畿・仁川45.8%が平均以上の支持率を示した一方、大邱・慶北39.2%、湖南35.0%、忠清圏27.0%で平均支持率を下回った。特にTK(大邱・慶北)地域の場合、先月の調査に比べて-8.9%p、忠清圏では-7.0%下落したことが分かった。
今回の調査でTK地域は、依然として高い国政支持率(66.5%)やハンナラ党への高い支持(42.8%)を示しているものの、地方選挙をみる観点から中間評価論を好む世論が多く、安定的な国政運営のためにハンナラ党を支持すべきだという与党の安定的な国政運営論への支持度も相対的に低く現れるなど、全般的に政府・与党の主要政策と路線に対する反発世論が確認されている。世宗市問題でも同様の傾向が見られるため、TK地域世論の収束と懐柔が重要な課題として浮上する見通しだ。
■ 民主党、世宗市イシューが浮上するほど首都圏世論の悪化が負担に
逆に民主党の場合、世宗市イシューを通じて忠清圏の支持を獲得することには成功しているが、この過程で首都圏世論が悪化することがジレンマとなっている。先に政党支持率分析で、世宗市原案を首都分割と理解するソウル地域の世論により、ソウル地域でハンナラ党の支持率に大きく押されている状況だ。もちろん、現在ソウル地域で中間審判論および与党牽制論への共感が高まり、一種の二重戦線が形成されているが、中間審判論以外に世宗市によって悪化したソウル地域世論を再び吸収できる政策開発努力も必要とされるだろう。
[表5] 地域別世宗市修正案賛成世論規模の変化(%)
2. 無償給食:支援範囲と時期の論争
普遍支援・早期施行(民主党案)31.9% vs. 選別支援・早期施行案(ハンナラ党案)31.3%
普遍支援・段階的実施(柳時敏案)25.2% vs. 貧困層対象・段階的実施 8.3%
金相坤(キム・サンゴン)京畿(キョンギ)教育監の無償給食推進案が、野党により地方選挙の争点として浮上している。核心的な争点は大きく二つの側面を持つ。第一に、支援対象を全生徒とするか、それとも貧困層に限定するか。第二に、推進方式において、早期に施行するか、財源に応じて段階的に施行するかに関する論争である。
調査結果を見ると、無償給食というイシューにおいて、無償給食拡大に対する多数の国民世論が確認されるが、実際の推進範囲と施行段階については、漸進的な見方も少なくないことがわかる。普遍的な支援対象として早期に施行すべきだという、現在の民主党、民労党、進歩新党の党論に対する支持は31.9%、貧困層に限定して早期に施行すべきだというハンナラ党の立場に対する支持も31.3%と拮抗している。柳時敏(ユ・シミン)前長官の主張に代表される、普遍的な支援を目標としつつも、財源を考慮して段階的に推進すべきだという立場に対しても、25.2%が支持を表明している。
支援対象の側面から見ると、全生徒を対象に無償給食を実施すべきだという普遍的支援論が57.1%(早期施行+段階的実施)、選別的支援をすべきだという立場は39.6%(早期施行+段階的実施)で、普遍論が多かった。しかし、支援時期の側面まで考慮すると、全生徒対象の無償給食を直ちに実施すべきだという立場に同意しない意見も少なくないことを確認できる。今後の選挙過程で世論がどのように変化するか、さらに見守る必要がある。
[図10] 無償給食案に対する選好
4大江/韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相公判/天安(チョンアン)艦事件も変数
特に、メディア報道によると、大統領が積極的に推進している4大江事業に対する世論も依然として冷淡であることが示されており、地方選挙の争点として浮上する場合、世宗(セジョン)市修正案の貫徹に向けた政策ドライブは容易ではない見通しだ。ハンナラ党指導部が忠南(チュンナム)地域の選挙のために世宗市原案約束の責任を取って辞任した李完九(イ・ワング)元忠南知事の戦略公薦を考慮しているということは、こうした見通しに力を与えている。特に最近、カトリック司教団など宗教界の4大江反対宣言により、反対世論に弾みがついたことも政府・与党にとっては負担である。一方、4月9日に予定されている韓明淑元首相の公判は、選挙構図全体に大きな影響を及ぼす重要なイシューである。
3月26日に発生した天安艦沈没事件は、今回の地方選挙の最大の変数として浮上するかどうかが関心事だ。選挙までかなりの期間が残ってはいるものの、南北隣接地域で海軍哨戒艦が沈没し、多数の死傷者を出したにもかかわらず、人命救助作業および原因究明の過程で釈然としない対応に対し、与党内部からも疑問が提起されている状況であり、国民の政府と軍の対応に対する不信が増幅された状態である。
ひとまず捜索作業終了後、引き揚げ段階に移りながら事件初期の衝撃は沈静化する状況だが、韓明淑元首相公判、世宗市、4大江イシューなど主要イシューのほとんどが政府および司法機関の信頼問題と関連した事案であるという点で、天安艦事件の事態収拾過程で政府に対する信頼が回復されない場合、不信のドミノ現象の可能性も排除できない。
野党の場合も、李明博(イ・ミョンバク)大統領自らが天安艦事件を選挙に利用する意思はないと表明したが、原因究明過程で北朝鮮の関与説が事実として明らかになる場合には、非常局面に入ることは避けられず、この場合、保守的世論の浮上と国政の安定を願う安定希求心理が拡散し、野党にとって不利な条件になる可能性もあるだろう。
*この本文は韓国語で書かれた原文を AI で翻訳したものです。一部の翻訳やニュアンスに誤りがある場合があります。