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[新年の企画 特別論評シリーズ] ③ 2026年 日本外交のプランBと韓日関係:対米依存と対中対立の狭間で

カテゴリー
論評・イシューブリーフィング
発行日
2026年1月6日
関連プロジェクト
2026年新春特別論評企画

編集者ノート

ソン・ヨル EAI 석좌研究委員(延世大学教授)は、トランプ第2期政権の「アメリカ・ファースト主義」と覇権再調整戦略により、日本が直面した安保上の不信と外交的危機的状況を診断します。著者は、日本が既存の対米追従路線である「プランA」から脱却し、戦略的自律性を確保して対米依存度を下げる「プランB」への転換を模索する過程を深く分析します。ソン教授はさらに、米中融和局面と中日対立が交差する国際情勢の中で、韓日両国が米国のリスクに共同で対応するための「韓日プランB協力」の必要性を提案します。

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2026年 新年の企画 特別論評シリーズ 概要
東アジア研究院は新年にあたり、急変する世界秩序と国際情勢を展望する「2026年 新年の企画 特別論評シリーズ」を発刊します。2026年の国際政治は、米中戦略競争の構造化、同盟秩序の再編、地政学と経済・技術安全保障の結合、そして人工知能と軍事・安保環境の急速な変化が重なる転換期にあります。これらの変化は、既存の自由主義国際秩序への挑戦であるだけでなく、中堅国と地域秩序全般に新たな選択と戦略的思考を要求しています。本シリーズは、米国を出発点として日本、中国、インド・太平洋、国際政治経済、人工知能(AI)、国防、北朝鮮、欧州に至るまで、主要なアクターと核心的課題を順次展望することにより、2026年の世界秩序の構造的変化とその含意を立体的に分析することを目指します。各論評は、短期的な懸案分析を超えて中長期的な戦略環境を診断し、韓国の外交・安保戦略への示唆を提示することを目的としています。
「2026年 新年の企画 特別論評シリーズ」発刊順序
1. EAI選定 2026年 国際情勢の10大トレンド [論評を読む]2. 米国 [論評を読む]3. 日本 [論評を読む]4. 中国 [論評を読む]5. インド・太平洋 [論評を読む]6. 国際政治経済 [論評を読む]7. 人工知能(AI) [論評を読む]8. 国防 [論評を読む]9. 欧州 [論評を読む]10. 北朝鮮 [論評を読む]

I. はじめに

トランプ第2期政権発足直後、歓心を買う外交と揶揄されながらも日米関係の安定化に心血を注いだ日本は、去る9月の屈辱的な関税交渉を経て、同盟を取引と見なす米国に自国の安全保障を全面的に依存できないという認識に至った。12月に公表された米国の「国家安全保障戦略(NSS 2025)」は、こうした認識を再確認させた。米国はもはや覇権国としての責務、すなわち地球的アジェンダを推進したり秩序維持に貢献したりする意欲がなく、本土防衛と西半球の管理に専念する姿勢を赤裸々に露呈した点、そして日本との対立を先鋭化させている中国に対する脅威認識が弱まり、融和的な姿勢を示している点をそのまま露呈した。中国を国際秩序を再編しようとする修正主義勢力であり、米国の唯一の競争相手だと名指ししたバイデン政権とは相当な隔たりがあることを日本は悟った。

NSS 2025に接した日本の落胆は、既存外交路線の転換論議へと繋がっている。覇権再調整への前向きな対応として、米国との適度な相互依存関係への再均衡、自衛力強化、同盟国(韓国、オーストラリア、NATOなど)との協力拡大、中国との戦略的コミュニケーション強化など、戦略的模索が出てきている。1月3日、米国が軍事攻撃でベネズエラのマドゥロ大統領を追放する事態を見て、日本の論議は一層加速するだろう。その行方は、日本の対米依存を固定化しようとする米国の姿勢に対する日本国内の政治力学、そして高市総理の台湾に関する発言で悪化した中日関係の展開にかかっている。日米関税合意と防衛費分担合意、中日関係の悪化、中国の強圧外交は、果たして日本外交のプランBをもたらすのか。韓日関係にはどのような影響を及ぼすのか。2020年以降、韓日両国民の相互認識が持続的に好転するボトムアップの推進力と、政府間関係回復の努力(トップダウン)が重なり合って実現した両国関係改善の流れは、2026年も続くのか。変数は何か。

II. 高まる対米不信の中での日米関係

2025年、日本外交が直面した最大の挑戦は、トランプ第2期政権が推進する覇権再調整戦略の中で、日米関係の安定化を図ることだった。トランプ第2期米国は、覇権国としての権利とそれに伴う利益は放棄しない一方で、義務は可能な限り同盟国およびパートナー国に移譲しようとする。ドル覇権の過度な特権(exorbitant privilege)を独占的に享受する反面、関税を核心的手段として動員し、覇権の経済的基盤を回復しようとする。対外軍事介入を自制しつつ、同盟国に防衛費増額・分担、先端技術統制など、覇権の責務を転嫁するのだ。

当初、日本は米国覇権の回復・維持のための協力者としての役割を担うという外交基調を持っていた。安倍政権と岸田政権を経て、日本は米国の下位パートナーとして覇権的地位の維持を助けるため、安保面では軍事力増強と日米同盟強化で米国の負担を軽減する一方、東南アジアやインドなどグローバル・サウス(地球の南半球)への関与などを通じて、国際的安定と平和に向けた公共財の提供に積極的に乗り出す意思を表明してきた(ソン・ヨル 2024)。これは日本外交の基本である「プランA」と言える。

トランプ第2期の登場により、日本が最も懸念したのは、米国自身が孤立主義に陥ったり、矛盾的で自滅的な措置で国際社会の信頼とリーダーシップを喪失したりする事態だった。トランプ政権が覇権的権利を主張しながらも、無謀な関税賦課と同盟の揺さぶり、頻繁な政策変更、国際規則と規範違反を繰り返せば、米国に対する同盟国の信頼低下と離脱のリスクが高まり、覇権衰退が加速して「米国なき世界」が到来し、中国とロシアはこうした空白を利用して影響力を拡大するというシナリオだ。したがって、覇権追従路線であるプランAが機能しない場合、「プランB」の樹立が必要となる。後者の必要性は、概ね以下の3段階を経て強化されてきた。

第一は、年初のマイク・ロビオ国務長官とJ.D.バンス副大統領の発言である。ロビオ氏は長官就任承認公聴会で、米国中心の自由主義国際秩序に代わり、多極化国際秩序の中で米国優先主義外交を追求すると公言し、続いてミュンヘン安全保障会議でバンス氏は欧州に対する米国の安保公約に否定的な姿勢を示した。こうした発言は、米国がもはや覇権国としての役割を遂行する意欲がないことを裏付けるものと解釈された。したがって、米国が自由貿易の放棄を超えて、同盟と拡大抑止の提供など安保公約、国際開発援助、気候変動協力など国際公共財の提供を大幅に縮小する事態に備えなければならないという認識が噴出した(古城佳子 外 2025)。

第二は、日米両国間の交渉過程における、同盟国に対する米国の取引中心的、強圧的な態度である。石破茂首相はトランプ第2期政権発足直後の2月、首脳会談で100億ドルに達する巨額の投資約束をプレゼントし、安定的な日米関係を構築しようとしたが、4月、トランプ大統領が大規模な関税措置(鉄鋼・アルミニウム関税25%、自動車・自動車部品関税25%、そして相互関税24%賦課)を発表すると、当惑と失望を隠せなかった。彼は同盟国に対する礼儀を無視した処置として、日本が弄ばれたという表現まで使った。交渉中、トランプ大統領は日本の安保のフリーライダーぶりを批判し、国防費の大幅増額を圧迫した。既に2022年、岸田政権がGDP比1%の国防費を2027年までに2%に増額すると宣言していたにもかかわらず、ヘグセス国防長官は3.5%の増額を要求し、関係当局に衝撃を与えた。結局、9月4日、相互関税率を15%に引き下げる代わりに5,500億ドル規模の対米投資を約束するという屈辱的な関税合意が成立した。ここで日本が得た痛切な教訓は、安保を米国に全面的に依存してはならないということだ。同盟を取引と見なすトランプとの交渉で、日本は安保面で米国に過剰依存している構造的脆弱性が、経済交渉力の非対称性を生み出していることを痛感した。

第三は、12月に公表されたNSS 2025である。対外介入を縮小し、米国の核心的利益が明確な場合に限り介入し、米国本土と西半球の管理を重視するという宣言は、一種の勢力圏(sphere of influence)構想に近い。米国のベネズエラ攻撃から見られるように、勢力圏政策は、大国が圏内国家の実質的主権を制約する行動を正当化する。米州大陸における移民、麻薬及び超国家的犯罪の抑制、中国の浸透遮断など、商業的利権と戦略的要衝確保を名分に、国際法上の根拠が希薄な行動が頻発しうる。実際に1月3日、米国のベネズエラ攻撃と大統領連行、ベネズエラ「運営」宣言など一連の事態が発生すると、日本政府は民主主義などの基本原則と国際法原則を尊重するという原則的な反応を示したが、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」に代表されるルールに基づく国際秩序と価値外交など、日本外交の基本原則が完全に無視されたことを痛感している。

さらに、この報告書は脅威勢力に対する規定が欠けている(チョン・ジェソン 2026)。中国やロシアなど敵対勢力を安心させ、同盟国を落胆させるといった日本側の反応が出ている理由だ(石井正文 2025)。もちろん、米国はインド太平洋地域で中国の勢力圏を認めず、覇権的影響力を牽制する役割を自任しつつ、西太平洋で第一列島線の防衛力構築のための同盟国間の集団的防衛努力を強調している。しかし、全体的な重点は、中国を経済的競争相手、すなわち米国との貿易再均衡(rebalance)推進、核心サプライチェーンの安定及び戦略物資の需給確保の相手に置いている。対中脅威認識は、「地球上で唯一の戦略的競争相手」と規定したバイデン政権に比べて著しく弱まった。日本としては、脅威認識の共有によって成立する同盟関係に不安と疑念を持たざるを得ない。

こうした経緯により、日本朝野では米国覇権を前提とした、あるいは米国覇権の回復可能性を前提としたプランAが機能しない場合を想定したプランBの議論が本格的に展開されている。

III. 日本のプランB

米国の同盟国にとってプランBの議論は、戦略的自律性の確保という問題に帰結する。欧州の場合、NATO加盟国が国防予算を増額し、米国の公約を確認してNATO体制を守ることがプランAであれば、プランBは米国の軍事介入なしに自強(自ら強くなること)で戦略的自律性を確保することだ。一方、日本の状況は異なる。欧州がロシアに対して軍事的均衡を達成できる能力を保有しているのに対し、日本は戦略的競争相手である中国に対して軍事的自立の努力で軍事的均衡を達成することは困難だ。何よりも、米国が提供する拡大抑止の代替案が存在しない。「反核」に対する国内的支持も依然として根強い。2025年8月に実施されたEAI-API世論調査によると、韓国国民の67.5%前後が自国核武装を支持しているのに対し、日本の場合は23.7%に過ぎない(ソン・ヨル他 2025)。

したがって、中国の戦略的影響力を牽制し、自由で開かれた国際秩序を維持するためには、現時点で米国以外の代替案はなく、米国なき国際秩序の模索は現実的ではないと考える。こうした点で、日本外交のプランBは、米国に対する不信を前提に、米国追従外交から脱却し、軍事力と外交力の伸長によって米国(および中国)への過剰依存を縮小し、適度な相互依存状態を形成し、その中で戦略的自律性を伸長させるという方向性を示している(秋田浩之 2024; 森聡、細谷雄一、鶴岡路人 2025; 佐橋 亮 2025)。プランAが米国覇権の回復・維持を前提とするならば、プランBの議論はこれを懐疑的に見て、米国に依存してきた部分を縮小する対米デリスキング戦略に近い。したがって、プランAが日米関係において日本の役割を米国への補完財と定義するならば、プランBは米国の必須財―すなわち、相互依存ネットワークの中で代替不可能なノード―を目指すものと見られる。安保面でプランAが軍事力増強を通じた戦略的柔軟性の確保を追求するものであるならば、プランBは軍事力増強を通じた戦略的自律性の確保、経済安保面でプランBは基幹産業保護とインフラ安全網の確保による戦略的自律性の向上、そして核心産業及び技術育成による米国及び中国の強圧や報復に対する抑止力あるいは交渉力をもたらす戦略的不可欠性の確保となるだろう。外交面では、プランAが同盟国との安保連携強化が米国を主軸とした小多国間協力であるならば(米日豪、日米韓、米日フィリピン、そしてクアッド(Quad)など)、プランBはオーストラリア、韓国、フィリピン、ニュージーランド、NATO加盟国などと米国なき安保協力を推進すると同時に、中国との戦略的コミュニケーションを確保する課題も含まれる。特に環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)の拡大は、中長期的に米国への過剰依存を分散する措置であり、「米国なき多国間秩序」を主導できる可能性を与える材料と認識されている。

表1. 日本外交のプランAとプランB

プラン
A
プラン B
政策
目標
米国
覇権秩序の回復と維持を助けるパートナーシップ
覇権からの
デリスキング
日米関係米国の
補完財としての不可欠な同盟
(indispensable ally)
米国の
必須財としての不可欠な同盟
軍事安保軍事力
増強、反撃能力伸長、
戦略的
柔軟性の確保。
軍事力
増強、反撃能力伸長、
戦略的
自律性の確保
経済安保対中
戦略的自律性、戦略的不可欠性の確保
対中
および対米戦略的自律性、
戦略的
不可欠性の確保
外交的視野自由で
開かれたインド・太平洋(FOIP)の回復、
米国
を含む小多国間協力の強化
東南アジア、インド中心のグローバル・サウス協力強化、米国なき小多国間協力の推進

IV. 高市政権のジレンマ:対米依存と対中対立の間で

2026年の日本の外交を展望する上で、主要な観戦ポイントは、トランプ米との関係に対する日本の戦略的選択である。基本的に、米国は自国に対する日本の過剰な依存構造を活用し、交渉力の非対称的な優位を維持しようとする。日本の軍事力強化を命じながら米国兵器の輸出を拡大し、米軍と自衛隊間の指揮統制統合を進展させて日本の対米依存性を維持・強化する一方、台湾海峡と南シナ海の海上輸送路を防衛するために第一列島の集団防衛に日本が中心的な役割を果たすことを要求している。経済面でも、日米相互依存のネットワークを拡張・深化させようとしている。日本の対米直接投資(5,500億ドル相当)が自国のインフラを拡充し、製造業基盤を確保、雇用を促進する上で中心的な役割を果たすよう誘導している。要するに、米国は非対称的な相互依存構造を活用して自国の安全保障および経済的利益を最大限確保しようとするのである。したがって、米国は日本のプランAを好む。

このような点で、昨年10月に発足した高市政権にとって、プランBは相当な政治的負担をもたらしうる選択である。高市首相は同盟を重視する保守連立政権の首長として、トランプ政権との安定的な関係維持、そしてトランプ大統領との緊密な人間関係を政治的資産としている。したがって、既成路線(プランA)から戦略的自律性を相対的に重視する路線(プランB)への転換は、政治的な説得と支持を必要とする。高市首相は、プランBが過去「NOと言える日本」という書籍でセンセーションを巻き起こした右翼政治家、石原慎太郎のような日本自立路線ではなく、プランBはプランAからの漸進的かつ長期的な進化の過程であることを、国内政治的に説得できなければならない。そのためには、精緻な転換のビジョンとロードマップも 마련되어야 한다。

もう一つの変数は対外変数としての日中対立である。11月7日の国会での高市首相の台湾に関する発言は、日中関係を急激に悪化させた。台湾有事の際に米国が介入し、中国が米軍に攻撃を加える事態が発生した場合、日本は「存立危機事態」と認定して集団的自衛権を行使できるという発言であった。「存立危機事態」とは、同盟国に対する武力攻撃が日本の存立を脅かす場合に限られるものであり、歴代の日本政府は周辺国との外交的摩擦を引き起こしかねないため、個別の事例を挙げて回答することを避けてきた。しかし、高市首相は対中強硬派として本心を露呈し事態を触発し、中国は核心的利益を損なうものとみなし、発言撤回を要求して強く反発した。日本旅行禁止警告、日本産水産物輸入停止といった経済報復措置に続き、過去の戦狼外交を彷彿とさせる外交宣伝戦を展開し、軍事的脅威段階に進み、中国空母艦載機が自衛隊戦闘機にレーダーを照射し、艦載機が30日、日本の防空識別圏に進入、ロシア爆撃機と共に日本周辺を共同飛行するなど、第一列島線周辺で軍事的圧力を高めている。

事実、高市首相は安倍政権の対中スタンスである「戦略的互恵関係」を継承し、「重要な隣国として建設的かつ安定的な関係構築」を目指すという立場を持って日中首脳会談(10.31)に臨んでいた。習近平主席も関係安定化を支持した。中国は米国第一主義が露骨化するにつれて、周辺地域で影響力を安定的に確保しようと、周辺外交を戦略の中心軸に格上げした。これに伴い、オーストラリア、韓国との関係改善努力と共に、日本に対しても石破政権発足以降、未来志向の二国間関係発展のモメンタムを見出し、福島原発汚染水問題で輸入を停止した日本産水産物について、中国が前向きな措置を検討し、日本人観光客に対して一時的なビザ免除政策を推進した。

このような協力的な雰囲気が対立に転じ、状況が深刻化すると、高市首相は11月11日、「特定の事例を想定して発言したのは反省すべき点」と一歩引き、12月16日、「既存の政府の立場を超えた発言として受け止められた点は反省すべき部分だと考える」とさらに一歩引いた。それにもかかわらず、高市首相が中国側の要求事項である謝罪と発言撤回を受け入れる可能性は低い。何よりも対中強硬論者として「台湾有事は日本有事」という普段からの持論に対する自民党と保守層の確固たる支持が維持されているのに加え、中国の報復によって国民感情が悪化し、高市内閣に対する国民世論が70%前後の高い支持につながっているからである。

高市首相の悩みは、融和局面に入った米中関係にある。トランプ第1期政権の対中政策は、中国との競争で勝利を目指し、関税、投資規制、人権批判、共産党独裁批判など、貿易、投資、価値、体制など全方位的な攻勢を繰り広げたが、前述したように第2期は意外にも経済面に限定された競争と妥協を見せてきた。中国に対し、4月には事実上の禁輸措置である145%関税爆弾を公言しておきながら、中国がレアアース輸出統制報復措置を取ると、関税賦課を3ヶ月猶予して後退した。結局、10月の釜山米中首脳会談で、トランプ氏は中国がレアアースおよびその他の重要鉱物輸出統制措置を1年間延長する代わりに関税猶予措置を1年間延長し、フェンタニル関連の懲罰的関税を10%削減してくれた。2026年11月の中間選挙に政治生命がかかっているトランプ氏は、中国の経済報復を警戒し、協調的な姿勢を継続するだろう。習近平主席も低迷する経済を浮揚させるために、対米関係の安定化を続ける見通しである。両国は4月に予定されたトランプ氏の北京訪問を経て、融和局面を続ける可能性が高い。このような背景で、トランプ氏は高市首相に対し、台湾問題で中国を刺激しない方が良いと述べ、米国は日本と強力な同盟を維持しつつも、中国と良好な協力関係を維持しなければならないというホワイトハウスの発言も出た。

2026年の奇妙な構図は、現状維持勢力である日本と現状変更勢力である中国が、米国と同時に友好的な交渉を進めている点にある。融和局面を続けようとする米中関係と対立局面の日中関係が併存・交差する中で、高市政権のジレンマは深まるだろう。米中関係の融和的局面による対米不信は、日本にプランBを選択させる誘因となる一方、中国との対立構図は米国依存性を増加させる誘因として作用する。中国の軍事的、経済的脅威と報復が強化されるほど、日本はさらに日米同盟に頼らざるを得なくなる。短期的に見れば、日中対立が対米依存を増大させる可能性の方がより大きいのはこのためである。

V. 日韓関係の展望

覇権再調整期における米国との関係構築に苦悩し、悪化した対中関係改善に外交力を集中している高市政権にとって、日韓関係の安定化は必須である。右翼的傾向の高市首相は、在任期間中に靖国神社参拝を一度はするという立場だが、現在の外交的難局の中で中国および韓国の強い反発を招くような参拝を強行する蓋然性は低い。一方、李在明(イ・ジェミョン)政府は実用外交の試金石として日韓関係を管理しており、シャトル外交は回復した。

韓国の場合、国内世論も日韓関係の安定化に肯定的である。東アジア研究所が日本のパートナー機関(言論NPO、2013-2023;API、2025)と2013年から実施している日韓国民相互認識調査データのうち、2025年8月18~20日に実施した国民相互認識調査の結果を回帰分析すると、日韓関係改善に影響を与える有意な独立変数は、日本の指導者に対する印象、日本に対する印象、米国に対する信頼度である。日本の指導者(首相)に対して良い印象を持つほど、日本に対して良い印象を持つほど、そして米国を信頼するほど、日韓関係が改善されていると感じるのである(Sohn and Lee, mimeo)。

表2. 日韓関係改善の変数分析(2025)

従属変数:日韓関係改善モデル(4)AMEP-value
日本の指導者印象+0.104***
(0.013)
< 0.001
日本印象+0.053***
(0.011)
< 0.001
米国信頼
U.S. as Trustworthy Partner
+0.033***
(0.010)
< 0.001

[表3]で見るように、韓国の日本に対する好感度は2020年の12.3%から持続的に増加し、2025年には52.3%まで上昇した。同期間、日本の韓国に対する好感度は2020年の25.4%から2023年には37.4%に上昇した後、2025年には24.8%に下落した。非好感度は46.3%から51%に上昇した([表4])。日本の対照的な結果は、一定程度、李在明(イ・ジェミョン)大統領に対する非好感度に起因すると見ることができる。日本の国民の39.2%は李大統領に悪い印象を持っており、良い印象を持っているという回答は10.5%に過ぎない([表5])。過去の進歩政権に対する否定的なイメージの延長線上にあると言える。一方、韓国国民の石破首相に対する良い印象は32.5%で、悪い印象を上回った([表6])。

李大統領は就任以来、実用外交を強調し、慰安婦合意と徴用工問題について、国家間の約束を覆すことは望ましくないという意思を表明し、歴史問題に過度に固執して協力を阻害すべきではないという発言までした。日本の政野党に、過去の野党指導者時代に形成された自身の反日イメージを払拭しようとする意図であろう。続いて、石破首相と3回、高市首相と2回、計5回の首脳会談を開催し、首脳間の友好関係を維持している。日本の国民の李大統領に対する印象が改善局面に入るか注目される。同様に、右翼イメージの高市首相に対する韓国国民の印象の推移も注目すべき点である。韓国国民に友好的なイメージを伝えようとする高市首相の努力に対する国民の反応がどう形成されるかも注目ポイントである。

最後に米国変数である。米国を信頼するほど日韓関係の改善を感じるということは、同盟に対する信頼度が高いほど日韓関係の改善を支持するという意味である。実際に、日韓関係改善に向けた米国、すなわちトップダウンの圧力は持続的に作用してきた。トランプ第1期とバイデン政権を経て、米国は一貫して地域的挑戦、挑発、脅威に対応するインド太平洋戦略の主要な手段として、日米韓協力を設定し、日韓関係改善を圧迫してきた。日韓両国は、北朝鮮の核・ミサイル脅威と中国の挑戦が 점증하자、米国との安保結束を強化する中で、米国の圧力を受け入れる過程を経た。

2026年にも米国の要因は肯定的に作用するだろうか。これは日韓両国の米国に対する信頼度と関連がある。[表7]で見るように、2022年を起点として対米信頼度は顕著に低下している。果たしてこのような信頼低下傾向は続くのだろうか。信頼低下は日韓間の協力を阻害するのだろうか。それとも両国がプランB 마련という名目で新たな協力を成し遂げるのだろうか。岐路に立つ2026年と言えるだろう。

[表3] 相手国に対する印象(2013~2025 韓国)

[表4] 相手国に対する印象(2013~2025 日本)

[表5] 相手国指導者に対する印象(2014~2025 韓国)

[表6] 相手国指導者に対する印象(2014~2025)

[表7] 相手国信頼の有無(2017~2025)韓国)

VI. 日韓プランB協力の可能性

国際秩序の設計者であり、秩序維持の最大の負担者であった米国は、もはや存在せず、その秩序の最大の受益者である日本は巨大な挑戦に直面している。米国の善意を期待したり、米国の未来に対する楽観論―米国が覇権の経済的基盤を回復して正常軌道に再進入するという見通し―は、もはや通用しないことを2025年ははっきりと示した。同時に、外交、安保、経済面で米国が日本の代替不可能な同盟国であるという事実に変わりがないことも、まざまざと示した。したがって、日本の今後の挑戦課題は、あたかも米国が同盟関係を取引として、同盟パートナーを道具として見るように、日本も日米同盟を取引として、米国を道具として見ることができるようにならなければならないという点である。対米関係に取引中心、道具的、実用的な現実主義を意識した発想の転換が前提となって初めて、プランBの模索が可能となる。

韓国もまた、対米関係においては同様の発想の転換が必要である。韓国型プランBの模索がそれである。この数年間、日韓協力は、日米韓協力の枠組みの中で、米国の後援・後見の下で進展してきたが、今や米国リスクを軽減するために、日韓両国が協力する方策を模索すべき時である。適切な対米相互依存への調整、米国に対する代替不可能な必需品あるいはチョークポイントの確保など、「日韓プランB協力」に向けた戦略的コミュニケーションを本格化する時期に来た。■

参考文献

ソン・ヨル他. 2025. 「[EAI世論ブリーフィング] 2025年 EAI-API-KEI 第1回日米韓国民相互認識調査および第12回日韓国民相互認識調査結果分析」https://www.eai.or.kr/press/press_01_view.php?no=13370

ソン・ヨル. 2024. 「[新年の企画 特別論評シリーズ] ⑦ キャンプ・デービッド精神を実践する2024年の日韓関係:課題と展望」 EAI論評. 1月11日。https://eai.or.kr/new/ko/pub/view.asp?intSeq=22299&board=kor_issuebriefing

チョン・ジェソン, 2026. 「[新年の企画 特別論評シリーズ] ② 2026年米国外交政策の変化と国際秩序」 https://www.eai.or.kr/press/press_01_view.php?no=13462

秋田浩之、「プランBを迫られる世界 「トランプの米国」頼みは続かず」 (2024.11.7.)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD0694V0W4A101C2000000/

石井正文、「モンロー主義の米国家安保戦略に日本はどう対応?元外務省幹部に聞く」 (2025.12.24)https://digital.asahi.com/member_scrapbook/detail.html?aid=ASTDR2S63TDRUTFK008M&cflag=0&psub=1&page=1&limit=20&sort=regtime.desc

古城佳子 外 「脱「米国依存」の国際秩序と日本外交」『外交』 vol 91, May/June 2025.

佐橋亮、「米国のいる世界」と「米国のいない世界」 『中央公論』12月。

森聡, 細谷雄一, 鶴岡路人、「トランプ政権に翻弄される世界」グローバルトレンド#3 Foresight. (2025.7.1)https://www.fsight.jp/articles/-/51468

Yul Sohn and Ahlim Lee, "Determinants of the Improved Japan-Korea Relationship.” (mimeo)


ソン・ヨル_EAI座長研究員、延世大学校国際学大学院教授。


■ 担当および編集:イ・サンジュン_EAI研究員
    問い合わせ:02 2277 1683 (内線 211) | leesj@eai.or.kr

添付ファイル

  • 손열_2026 일본외교의 플랜B와 한일관계_260106_신년기획특별논평.pdf

*この本文は韓国語で書かれた原文を AI で翻訳したものです。一部の翻訳やニュアンスに誤りがある場合があります。

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