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[トランプ復帰とアメリカの試練] ① 2024年アメリカ大統領選挙と二極化政治

カテゴリー
ワーキングペーパー
発行日
2024年12月12日
関連プロジェクト
韓国外交2025展望と戦略米中経済戦争と韓国

編集者ノート

ソ・ジョンゴン慶熙大学教授は、2024年の大統領選挙でトランプ候補が勝利したことが、ニューディール連合の核心的支柱であったアイデンティティ政治を揺るがしたと分析しています。今回の選挙でトランプ氏は7つの激戦州を席巻し、2004年以降共和党候補として初めて総得票数で民主党を上回っただけでなく、ラティーノや黒人男性を含む多様な層で支持率を高め、共和党の新たな支持基盤である「トランプ連合」を形成したと評価されています。著者は特に、居住地、教育水準、人種、年齢など全般にわたって支持率が上昇した点から、民主党のアイデンティティ政治戦略が限界に直面していると指摘し、ジェンダーと人種間の結合という新たな政治的地形が今後のアメリカ政治に重要な示唆をもたらすと展望しています。

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Ⅰ. 2024年アメリカ大統領選挙の分析と国内政治の展望

2024年11月5日に行われた選挙は、様々な次元で予想を超えた。一言で言えば、早期に開票結果が完了したトランプ(Donald J. Trump)の圧勝であった。7つの激戦州をすべて制した今回の選挙結果は、2016年にアウトサイダーのトランプが初めて登場し、世論調査の予測に反してヒラリー(Hillary Clinton)候補に楽勝した時期とも比較できる。さらに、パンデミック以降、期日前投票(early voting)が活性化したアメリカ大統領選挙において、7つの激戦州のうち開票完了にかなりの時間がかかると予想される州が少なくなかった。前回の2020年大統領選挙では、火曜日の選挙の最終結果が土曜日に出るほどであった。しかし、今年の選挙結果は予測を裏切るほどのスピード決着であった。特にウィスコンシン(Wisconsin)州とペンシルベニア(Pennsylvania)州が、大統領選挙前に選挙法を改正し、いわゆる徹夜開票を可能にしたことが理由の一つであったと思われる。選挙期間中、世論調査では接戦が続いており、選挙結果の判定に少なくとも数日はかかると見ていた多くの選挙専門家の予測がすべて外れる選挙および開票結果であった。

トランプ候補の圧勝で終わった今回の選挙では、共和党候補が7つの激戦州をすべて制しただけでなく、2004年の大統領選挙以降初めて総得票数でも民主党候補を上回る結果となった(図1参照)。これは、2001年9.11テロ以降初めて行われた大統領選挙で、現職のブッシュ(George W. Bush)大統領が民主党候補のケリー(John Kerry)上院議員に、選挙人団と総得票の両方で勝利した状況以来初めてである。一部では、選挙での楽勝というレベルを超えて、共和党がいわゆる「トランプ連合(Trump Coalition)」を形成したという評価まで存在する。ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)が行った投票分析の中で、特異な点は、居住地、教育水準、人種構成、年齢など、様々な次元でトランプ氏の支持率が以前の大統領選挙よりも高まったという事実である(図2参照)。白人の構成比が半分未満の290郡(county)では支持率が7パーセントポイント上昇し、黒人有権者が居住する地域でもトランプ氏の善戦が際立っている。特に黒人男性の得票が差を生み出したと見られる。また、今回の選挙で投票した有権者の71パーセントが白人有権者であったが、これは1992年のアメリカ大統領選挙以降で最も高い割合であった。事実、最も大きな支持率の変化は、ラティーノ(Hispanic)人口が1/4以上を占める地域で起こったと言える。2020年の大統領選挙でもトランプ大統領はラティーノの支持を確保していたが、今回は9パーセントポイントを上回る支持率の増加を記録したことになる。これは、少数人種や若者、女性などに依存するアイデンティティ(identity)選挙方式を活用してきた民主党にとって、重要な示唆を与える点である。さらに、トランプ氏の登場以降、むしろ民主党に支持が偏ってきているとされてきた大学在学以上の高学歴有権者グループも、今回の選挙でトランプ氏への支持をさらに増加させたことが確認されている。

<図1>大統領選挙総得票数比較<図2>大統領選挙支持率変化比較
出典: 270 To Win 2024.出典: The New York Times 2024.

今回の2024年アメリカ大統領選挙におけるトランプ氏の勝利を過大評価すべきではないという主張や指標も存在する。まず、総得票でトランプ氏が上回ったのは事実だが、ハリス(Kamala Harris)氏との差は11月21日時点で1.6パーセントポイントに過ぎず、開票が完全に終了すればさらに縮小する可能性があるとの見通しであった。また、いつものようにアメリカ大統領選挙は50州のうちわずか数つの激戦州によってその結果が左右されるが、今回もミシガン(Michigan)、ウィスコンシン、ペンシルベニアの3州での23万5千票差で勝敗が決まったという分析がある。通常、大統領選挙の圧勝は議会選挙に関連する「波及効果(coattail effects)」によっても証明されるが、今回の選挙はそう見るには難しい側面がある(Edwards III 1979; ソ・ジョンゴン 2021)。言い換えれば、今回の連邦上院選挙の激戦州であったアリゾナ(Arizona)、ネバダ(Nevada)、ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニアのうち4州で民主党が議席を守り、ペンシルベニアの1州でのみ共和党に敗北した。ペンシルベニア州の選挙でさえ、現職上院議員が選挙後約20日経ってから敗北を認めるほどの僅差の勝負であった。よくよく考えてみれば、今回の選挙を通じて共和党が新たな上院多数党となった理由は、モンタナ(Montana)、オハイオ(Ohio)、そしてウェストバージニア(West Virginia)など共和党の超強勢地域で上院選挙に勝利したからでもある。下院選挙も状況は同様である。民主党は今回の選挙で新たに1議席を追加し、結局来年1月3日に開会する第119回下院で議席分布は共和党220議席、民主党215議席となり、歴代最小の議席差を記録する見込みである。

一方、来年1月3日に開会する新連邦上院で共和党が53議席を確保したことの最も重要な意味は、過半数を超える議席を確保したことにより、トランプ氏の立法案件のうち予算調整手続き(budget reconciliation)に乗せられる法案の通過可能性が高まった点である。トランプ時代とバイデン時代に入って最も重要な2つの法案、すなわち2017年のトランプ減税法(Tax Cuts and Jobs Act of 2017)と2022年のバイデンインフレ抑制法(Inflation Reduction Act of 2022)のいずれも、上院でフィリバスター規則の適用なしに単純過半数で通過したことを記憶すべきである(ソ・ジョンゴン 2023)。一方、11月13日、共和党上院では当選者を含めた計53名が参加し、新たな院内代表を選出する投票が行われた(図3参照)。選挙直前まで、ショーン・ハニティ(Sean Hannity)、タッカー・カールソン(Tucker Carlson)、イーロン・マスク(Elon Musk)など、トランプ氏の最側近たちが大々的に乗り出し、リック・スコット(Rick Scott, R-FL)上院議員を支持し、ジョン・チューン(John Thune, R-SD)議員を阻止しようとした。しかし、トランプ氏は土壇場まで誰にも公的な支持の意思を表明せず、結局2回目の投票でチューン議員がジョン・コーニン(John Cornyn, R-TX)議員を破って、新上院共和党院内代表に就任することに成功した。事実、チューン議員もコーニン議員も、ともに伝統派上院議員に分類される。彼らの合計票は40票で、スコット議員が得た13票よりもはるかに多い点に注目する必要がある。ただし、チューン議員の場合、トランプ氏と対立するタイプというよりは、静かに上院を運営し、案件ごとにトランプ氏と共和党穏健派の間でバランスを取ろうとする傾向を持っている。例えば、トランプ氏が要求する休会中の長官任命(recess confirmation)のような変則的な議会・行政府関係の変化に対しても、やや従順な態度を見せている。それにもかかわらず、少なくともスコット議員のように上院議会規則を交換したり、フィリバスターを廃止したりするような過激な上院の変化を推進しないことは明らかに見える。例えば、トランプ氏が公言したように難民申請を厳格化した強硬な移民法案の場合、上院規則によってフィリバスター適用法案となるため、これは議会を通過しにくくなる(ソン・ビョンクォン 2021)。

<図3>第119回上院共和党院内代表党内選挙

出典: The Hill および著者計算。

下院の場合、マイク・ジョンソン(Mike Johnson)現下院議長は、13日の共和党内部選挙で競争相手なしに次期下院議長候補に選出された。トランプ氏は当選者資格で下院共和党議員たちと面会し、ジョンソン議長への全面的な支持を表明し、ジョンソン議長はトランプ氏を「カムバックキング(comeback king)」と呼んだ。下院共和党の非公開会議で口頭投票(voice vote)を通じて下院議長候補の座を獲得したジョンソン氏に対する真の挑戦は、来年1月3日の下院議長選出過程となるだろう。共和党内部のフリーダム・コーカスなどの強硬派議員たちがジョンソン議長を完全に支持しているわけではないからである。しかし、第118回下院開会時のような、下院議長を選出できずに大混乱が起きた状況が再演される可能性は、ひとまず低いと見られる。ただし、案件によってはいくらでもジョンソン議長に対する反乱票が登場しうる。この場合、トランプ大統領も第2期政権で共和党下院強硬派議員たちに対して予想よりも影響力を発揮しにくい可能性もある。

II. 二極化時代の米国大統領選挙と政党政治

理論的な観点から考えると、まず1980年のレーガン勝利のアメリカ大統領選挙と今回の選挙を比較することができる。何よりも今回の米国大統領選挙でトランプ氏の勝利に最も大きく貢献した要因と考えられるインフレ状況が類似している。アメリカ経済の衰退と第二次石油ショック以降、記録的な水準に達した物価上昇率とエネルギー危機に対し、当時の民主党大統領であったカーター(Jimmy Carter)は、具体的な政策や国民へのレトリック(rhetoric)のいずれにおいても失敗した。家庭で暖房を切って服を重ね着するようにという大統領の談話に対し、アメリカ国民は憤慨し、逆にカーターをはじめとするすべての政治家には物価を抑制する政策処方がなかった。通常、金利引き上げを通じて物価を安定させようとするが、高くなったクレジットカードやローンの利子を負担しなければならない一般庶民にとっては、政治的に逆効果しかもたらさない。興味深いのは、1980年の選挙でカーター氏がレーガン(Ronald Reagan)氏に敗北した後、アメリカのいかなる大統領選挙でもインフレが最大の選挙争点となったことがなかったという事実である。つまり、今回の選挙でインフレがもたらす政治的破壊力について、過去44年間、データに基づいた分析と展望はほとんど不可能であったということだ。よく知られているように、1980年のレーガン革命(Reagan Revolution)のもう一つの重要な次元は、1932年のルーズベルト当選以降に建設されたニューディール連合(New Deal Coalition)の時代を終焉させた点である。1800年のジェファーソン当選(Revolution of 1800)以降、100年以上アメリカは積極的な国家という概念を知らず、認めようとしなかった。大恐慌を経験する過程と第二次世界大戦を主導する状況で、ルーズベルトは連邦政府が国民を直接的に支援できるという政策とメッセージを打ち出した。この過程で、行政府と大統領に対する国民の認識が変わり、ニューディール連合はルーズベルトの4選およびトルーマン(Harry S. Truman)のフェアディール(Fair Deal)政策によってアメリカ政治の新たな枠組みを形成した。また、ニューディール連合の強固さは、政策レベルに留まらず、今後の選挙勝利を保証するアイデンティティ政治(identity politics)構築の次元でも見られる。都市居住者、黒人有権者、ユダヤ系アメリカ人、女性および若年層を動員して作られたニューディール選挙連合は、その後アメリカにおける大統領選挙戦略だけでなく、議会権力を維持する上でも民主党にとって死活的な要素となった。時間が経つにつれて、効率的な官僚制は無駄な運営として批判され、過度な政府介入としてすり替わり、1980年のレーガン革命を通じて解決策ではなく問題点として扱われる状況にまで至った。今回の選挙に関連して、2つの事案を考えてみることができる。

<図4>1980年アメリカ大統領選挙と2024年アメリカ大統領選挙の比較

出典: 270 To Win 2024.

第一に、政府効率化委員会(Department of Government Efficiency)と名付けられた機関を通じて、トランプ氏が連邦官僚制の打破を提起している点である。これは、アメリカ国家の性格を巡る長年の議論とも関連しており、「弱い国家(Weak State)」対「強い国家(Strong State)」の議論に続き、いわゆる「ディープ・ステート(Deep State)」概念が浮上している最中である。これは共和党政権下で常にあった問題提起であることは間違いないが、スコウロネックら(Skowronek, Dearborn, and King 2021)の指摘するように、すべての新大統領は自身の行政府を新たに作りたいと願うものである。しかし、第1期政権での経験を基に、第2期政権の最大の改革案件を打ち出したトランプ氏の今後の動向は意味深長である。第1期政権当時、半分も満たなかった人事組織や既存の制度的枠組みの人々によって自身の統治が妨げられたと固く信じているトランプ氏は、選挙期間中も政権を握れば処罰すべき対象として「ディープ・ステート、戦争主義者たち(warmonger)、そしてグローバリストたち(globalists)」を挙げたほどである。連邦行政部の改革問題は、議会の権限委譲(delegation)と行政部の裁量権限、公務員の中立義務と保護、そして民主的責任性、さらには機関間の争いを巡る司法府の判決や主張など、まさにアメリカ政治全体を包括する重大な問題と言わざるを得ない(Crouch, Rozell, and Sollenberger 2020)。「ディープ・ステート」論争は、単一行政権理論(unitary executive theory)と共に、今後もアメリカ政治学の主要な関心事となる見込みである。ここに、マスク氏やラマ・スワミ氏(Vivek Ramaswamy)のような、トランプ氏に劣らず予測不可能な人物たちが委員会(Department of Government Efficiency: DOGE)を主導している点が特異である。すでにウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)への寄稿を通じて、規制緩和、人員削減、コスト削減などの立場を明らかにした両共同委員長の今後の動向は執拗であると予測される。

<図5>2024年アメリカ大統領選挙とトランプ支持率の動向

出典: The New York Times 2024.

第二に、1980年のレーガンの勝利がニューディール連合の一軸である積極的な国家概念を攻略することでアメリカ政治を再び小さな国家時代に戻したとすれば、今回の米国大統領選挙でトランプ候補の勝利は、ニューディール連合のもう一つの軸であるアイデンティティ政治を揺るがしたという点が興味深い(ソ・ジョンゴン 2019)。事実、1980年と1984年の共和党の圧勝後も、アイデンティティ戦略は2008年のオバマ大統領選挙に至るまでその命脈を確かに維持してきた。少数人種や女性、若者の票は基本的に70対30以上の割合で民主党に流れ、民主党の政党基盤となってきた。ただし、シューマー(Chuck Schumer)に象徴される民主党とウォール街の結託、労働組合との弱まった絆、気候危機を巡るエリート主義(elitism)の可能性などは、2008年の黒人大統領登場と2016年のアウトサイダー・トランプ登場以降、白人労働者層有権者の共和党への吸収を 촉発させた。もちろん、今回の選挙でトランプ候補が過半数を超えるラティーノ男性の支持および黒人男性有権者の支持上昇を獲得したことについて、早計な断定は難しい。民主党候補が黒人女性であり、不法移民問題が尖鋭化する状況下で、ラティーノ男性有権者の票の動きを恒久的なものと判断することは容易ではない。それにもかかわらず、今回トランプ当選によって形成されたジェンダー(gender)と人種(race)間の結合問題は、今後のアメリカ政治に重要な示唆を提供するものと思われる。<図5>は、居住地、人種、学歴、産業、世代(左上から時計回り)など、全領域で増加したトランプ支持の勢いを示している。

2024年アメリカ大統領選挙が、将来的に重大選挙(critical election)と区分されるかどうかを展望するには、当然まだ早い時期である。アメリカの歴史上、学者たちの間で合意が得られた重大選挙としては、概ね平均約40年周期で次の大統領選挙が考えられる。連邦政府ではなく州政府中心へのアメリカ政治の回帰と持続を確定づけた1800年のジェファーソン(Thomas Jefferson)選挙、エリートではなく大衆中心の政治と選挙システムを新たに構築した1828年のジャクソン(Andrew Jackson)選挙、共和党を創党し、その後の南北戦争という未曽有の内戦を 촉発させ、奴隷制廃止および共和党一党体制を作り出した1860年のリンカーン(Abraham Lincoln)選挙、ポピュリズムを阻止し、産業および金本位制を中心とした国家発展の方向を確立した1896年のマッキンリー(William McKinley)選挙、積極的な国家概念を史上初めて導入し、アメリカの国家と市場、権力と国民の関係を完全に覆した1932年のルーズベルト(Franklin D. Roosevelt)選挙、そしてニューディール連合を打破し、減税と強力な国防という伝統的保守主義の小さな国家時代を開拓した1980年のレーガン選挙などが重大選挙として知られている。2024年アメリカ大統領選挙が、時期的に見れば1984年のレーガン圧勝再選に続く40年ぶりの選挙であることは間違いない。先に指摘したように、レーガン選挙が小さな国家への回帰という理念的次元での重大選挙であったとすれば、今回のトランプ選挙がアイデンティティ政治の弱体化という現実的次元での重大選挙であったのかについては、今後研究と議論が必要と思われる。まるで1860年のリンカーン選挙がジャクソン民主党時代から共和党全盛時代への転換を成し遂げたことに比べ、1896年のマッキンリー選挙がウィリアム・ジェニングス・ブライアン(William Jennings Bryan)主導下の民主党ポピュリズムを揺るがしたこととも関連付けて考えることができる。

トランプ時代を展望すると、来年第119回上院でトランプ内閣の承認手続きや、トランプ減税法の延長、あるいはインフレ抑制法の(縮小)廃止など、重要法案の場合、単純過半数、すなわち50名の賛成があればよい。逆に考えると、トランプ内閣の承認を頓挫させたり、単純過半数法案を否決したりするためには、共和党上院議員4名が必要な状況である。4名の候補としては、いわゆる「C2M2」議員を想定することができる。スーザン・コリンズ(Susan Collins, R-ME)、ビル・キャシディ(Bill Cassidy, R-LA)、ミッチ・マコーネル(Mitch McConnell, R-KY)、リサ・ムルコスキー(Lisa Murkowski, R-AK)がそれである。このうち、コリンズ、キャシディ、ムルコスキー議員は、2021年2月のトランプ氏弾劾(2回目)で賛成票を投じた議員たちである。マコーネル議員は2026年に引退する伝統派議員であり、トランプ氏と対立したことがある。このうち、コリンズ議員とキャシディ議員は2026年の選挙に臨まなければならないが、コリンズ議員が代表する主要州はハリス氏が勝利した州である。キャシディ議員が代表するルイジアナ(Louisiana)州は、いわゆるジャングル・プライマリー(jungle primary)システムを運営しており、キャシディ議員が予備選挙で敗退する可能性はないため、トランプ氏の圧力は少ないと見ることができる。簡単に言えば、もしこの4名の共和党上院議員が団結して反対票を投じれば、トランプ氏の議題に影響を与えることができる。ただし、2026年の中間選挙で共和党は20名の現職議席を、民主党は13名の現職議席を守らなければならないが、共和党側で再選が不確実な議員はコリンズ氏とトム・ティリス(Thom Tillis, R-NC)程度しかいない。これに対し、民主党側にはジョン・オソフ(Jon Ossoff, D-GA)やゲイリー・ピーターズ(Gary Peters, D-MI)などがいるため、トランプ任期4年間、少なくとも連邦上院は共和党多数党の地位が維持されると見られる。

III. トランプ第2期政権展望の政治学

2024年アメリカ大統領選挙の意味を正しく理解し、それに従ってトランプ第2期政権を展望するには時間がかかり、今後、今回の大統領選挙に関連する様々な実証資料がさらに多く分析される必要がある。2024年大統領選挙の総得票率でさえ、現在AP通信(AP News)の予測とクック・レポート(Cook Report)のデータが異なるほどである。トランプ第2期政権も、まだ就任前であるにもかかわらず無数の論争を巻き起こしている忠誠派人事による波紋を測り知ることは容易ではない。トランプ氏主導の単一政権(unified government)が来年1月に始まることは明らかだが、第1期政権当時も最初の2年間、すなわち2017年と2018年は単一政権の状況であった。当時も行政命令中心の政治、ツイッターを通じた混乱したメッセージ政治、金正恩(Kim Jong-un)委員長とのシンガポール会談など、トップダウン(top-down)方式の政治を通じて、アメリカ政治システムとは無関係なリーダーシップを見せた大統領がトランプ氏であった。ただ忠誠派で埋め尽くされた内閣を中心に、4年という短い期間を縦横無尽に駆け巡るであろうトランプ氏を予測することは困難である。それにもかかわらず、トランプ氏第2期展望のためには体系的なアプローチが必要である。

第一に、トランプ氏の政策優先順位に関する分析と展望が重要である。これは修正憲法第22条により2028年の大統領選挙に出馬できない4年任期のトランプ大統領時代と直結している。一般的な予測としては、移民問題が最優先事項となるだろう。すでに移民問題を扱うためのホワイトハウス内の責任者(czar)も任命されており、自身の最側近であるミラー(Steve Miller)氏も主導権を発揮すると見られる。ウクライナ戦争も優先事項であるが、これはロシアのプーチン氏とウクライナのゼレンスキー氏という、もう一つの主要な行為者の戦争関連の選択が待っているため、時間を要すると考えられる。中国との通商問題も政策優先順位に含まれる。関税を最良の政策ツールと信じるトランプ氏が、これを武器として振りかざす相手国は中国であり、大統領の積極的な政治的リーダーシップを容易に示すことができる対象でもある。これらの点は、北朝鮮問題が優先順位ではない可能性があるという現実を示唆している。さらに、北朝鮮問題がトランプ氏の政策と結びつくためには、アメリカ化(Americanization)の手続きが必要であるが、前回の米朝首脳会談以降、このプロセスがどれだけ省略されたままトランプ氏が電撃的に問題を提起できるかも観戦ポイントである。

一方、もう一つの考慮事項は、一部の分析とは異なり、トランプ氏の外交政策関連権限がレームダック(lame-duck)現象と大きな関連がないという事実である。伝統的に再選に成功した大統領に与えられる権力の時間は、第2期任期の最初の1年程度とされている。第2年目には大統領所属政党が苦戦する中間選挙が予定されており、3年目からはすべてのメディアと政党内部の事情が次期大統領候補者に注目を注ぐからである。ここで注意すべき点は、これらの分析が主に大統領の議会関連国内政治に限定されるという事実である。ブッシュ(George W. Bush)大統領が再選後最初の年である2005年に社会保障制度(social security)改革に関連して、株式市場を利用した一部の私企業化の試みを行ったが失敗したことがある。このように、国内政治に関連する再選大統領の権力においては、主にレームダック現象が比較的早く発生する場合が多い。しかし、むしろ外交政策に関連する領域においては、自身の業績(legacy)を築くための積極的な行動を一般的に見せる。一例として、クリントン大統領の対北朝鮮融和政策や中国との自由貿易政策はいずれも再選された任期の最後の年に行われた。したがって、移民政策、税制政策、連邦政府改革など、我々にとって重要度の低いアメリカ国内の課題は、中間選挙以前に単一政権の状況下でトランプ氏が推進する可能性が高いのに対し、安全保障と通商に至る対外政策は、トランプ氏の4年間を通じてトランプ氏が主導すると見る方がより正確である。

第二に、トランプ氏の政策優先順位が決まれば、それらが行政命令で執行可能なものなのか、それとも議会の承認あるいは廃止が伴わなければならないものなのかを分析する必要がある。関税賦課の場合も、一般的に知られているように、中国に対する60パーセント以上の関税政策は行政命令で可能である。しかし、全世界のすべての輸入物品に対する10パーセントの普遍的関税の場合、手続き上の瑕疵を理由に、進歩的な連邦判事(federal judge)による執行停止仮処分申請の状況を想定することもできる。移民政策関連でも、不法移民追放のような過激な政策は行政部の主導下に行政命令で可能だが、司法府の制動も作動しうる。例えば、難民地位申請を厳格化する法案の場合、上院のフィリバスターの対象となるため、立法が容易ではない可能性がある。同様に、我々にとっても重要な意味を持つ半導体科学法(CHIPS and Science)も、上院のフィリバスターに阻まれ、廃止は困難な状況である。インフレ抑制法の場合、単純過半数で廃止が可能だが、共和党の選挙区に集中した恩恵のため、政治的に複雑な局面を迎えている。このように、トランプ氏の政策が行政命令レベルで進められるのか、それとも議会および司法府と連携するのかを巡って、具体的な政策の成功可能性が決まることもある。結論として、トランプ氏のもう一つの4年間がアメリカ政治の完全な変化(transformation)の時期として帰結するのか、それとも4年を飛び越えて作られたもう一つの逸脱(aberration)時代として終結するのかを判断するためには、アメリカ政治のすべての事例と同様に、今後時間をかけて判断する必要がある。 ■

参考文献

ソ・ジョンゴン. 2019. 『アメリカ政治が国際イシューに遭遇する時:政争は外交の前に消えるのか、それとも始まるのか』. ソウル: 西江学術叢書.

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______. 2023. “アメリカ国内政治と経済安全保障:アメリカは中国を「どのように」牽制するか?” 『国家戦略』 29, 3: 5-31.

ソン・ビョンクォン. 2021. “アメリカ議会予算調整手続きの政派的性格と活用に関する経験的検討” 『韓国政党学会報』 20, 4: 5-42.

Bloch, Matthew, Keith Collins, Robert Gebeloff, Marco Hernandez, Malika Khurana and Zach Levitt. 2024. “Election Results Show a Red Shift Across the U.S. in 2024.” The New York Times, November 6. https://www.nytimes.com/...shift.html.

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270 To Win. 2024. “2024 Presidential Election Interactive Map.” https://www.270towin.com/.


徐坰建 Kyung Hee University 政治外交学科 教授。


■ 担当および編集:イ・ソヨン, EAI 研究補佐員

    問い合わせおよび編集: 02 2277 1683 (ext. 205) | sylee@eai.or.kr

添付ファイル

  • 서정건_2024년미국대통령선거와양극화정치_241212_EAI워킹페이퍼.pdf

*この本文は韓国語で書かれた原文を AI で翻訳したものです。一部の翻訳やニュアンスに誤りがある場合があります。

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