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[CSR Monitor Vol.3] 企業信頼度に影響を与える要因:共有価値創造(CSV)を中心に

カテゴリー
ワーキングペーパー
発行日
2013年12月30日

Ⅰ. はじめに

2008年のリーマンショックにより市場の限界が露呈して以来、「資本主義4.0」、「持続可能な発展(sustainable development)」といった概念が強調されている。市場と政府が協力し、社会問題を根本的に解決することで、国民が社会・環境の危険から安全に保護され、幸福に暮らせるように社会革新を成し遂げることが重要になった。

過去、企業と政府は、収益創出と公益創出というそれぞれ異なる目標を持って運営されており、互いの領域を侵すことのできない排他的な姿勢をとってきた。しかし、社会問題が次第に複雑化・多様化するにつれて、政府の伝統的な役割だけでは効果的に解決することが困難になった(李明錫他、2009)。そこで、豊富な資本とアイデアを持つ企業が社会問題の解決において中心的な役割を担うようになった。すなわち、社会問題の解決という共通の目標のもと、政府と企業、さらには市民社会と共に協力するガバナンスの時代が到来したのである(Agranoff & McGuire, 2003)。

このように時代が変化し、様々な危機を経験する中で、市場、すなわち企業に期待されることはますます大きくなっている。当初はILO、国連などの国際機関を中心に、企業に対して社会貢献、社会的責任(Corporate Social Responsibility)の履行が奨励された。その後、社会的責任に関連してISO 26000などの規格や認証が増加するにつれて、企業の社会的責任は、企業が当然果たすべき経営活動の一環として受け入れられるようになった(張龍錫・趙熙珍、2013、鄭漢蔚、2013)。企業の社会的責任とは、企業が経済的目標だけでなく、社会的・環境的目標も共に考慮することであり、企業の役割は収益創出のみにあると捉えていた従来の主張から一歩進んだものである(Elkington, 1994; Steurer, 2010)。すなわち、企業の経営活動が社会発展の重要な原動力となるのである。

こうした動きに呼応し、企業は社会的責任を積極的に実践している。そのために企業が自発的に社会的責任を履行する場合もあるが、政府が様々な政策を通じて企業の社会的責任履行のための間接的な基盤を整備している場合もある(Albareda et al., 2007)。しかし、皮肉なことに、企業は依然として非難の対象となっている(Porter & Kramer, 2011)。特に、韓国においてはその問題がより深刻である。2002年から2005年まで、企業あたりの平均社会貢献支出額が50億ウォン台であったものが、2011年には140億7千万ウォンと2倍以上に急増したにもかかわらず、企業に対する国民の信頼度はますます低下している。それだけでなく、ほとんどの国民は、企業が単にイメージ改善のために社会的責任を履行していると認識している(鄭漢蔚、2013)。

本報告書は、こうした現象に注目し、その原因を探求的に考察し、代替案を模索することを目的とする。そのために、GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所の国際調査結果を活用し、企業経営のパラダイムが社会的責任から共有価値創造(Creating Shared Value)へと変化していることを明らかにし、これが企業信頼を回復するための一つの代替案となり得ることを提示したい。慈善的な性格の強い社会的責任よりも、共有価値創造(Creating Shared Value)の方が持続可能性の観点から優れているからである。すなわち、社会を革新し、その効果が持続するようにするためには、共有価値創造(CSV)の観点に立脚して企業経営方式を変化させることを強調したい。

Ⅱ. 企業経営パラダイムの変化

企業経営パラダイムは、時代と環境の変化に伴い、収益創出から社会的責任(CSR)へ、そして今やその両概念が融合した共有価値創造(CSV)へと拡大している。これまで企業は、短期的な利益最大化のみが価値を創出できる唯一の方法であると認識してきた。このため、企業の長期的な成長と生存に影響を与える様々な要因が見過ごされてきた。すなわち、企業の収益とも直結する顧客、自然資源、地域社会などを考慮してこなかったのである(Porter & Kramer, 2011; 張龍錫・趙熙珍、2013)。政府や市民社会でさえ、企業が社会問題の解決に参加することは、それをさらに悪化させるだけだと考えていた。これは、経済的効率性と社会の発展が互いに相反する概念として認識されてきたことを意味する。

しかし、利益最大化だけでは企業競争力を確保する上で限界に達した。利益最大化のためには、数々の非道徳的な行為を黙認する企業の姿勢により、企業イメージが失墜したり、信頼度が低下したりする現象が継続したからである。そこで、長期的に競争力を確保できる持続可能な経営の一環として、国連が提示した人権、労働、環境、反腐敗などの原則を履行する企業の社会的責任が求められるようになった。こうした国際社会の圧力を受け、多くの国々が企業の社会的責任を積極的に実践している(Campbell, 2007; Lim & Tsutsui, 2012; 張龍錫・趙熙珍、2013)。しかし、企業の社会的責任もまた、意図した結果とは異なり、社会問題の核心を解決しているとは言い難い(Porter & Kramer, 2011)。依然として企業は、社会的責任を企業本来の役割である収益創出とは別の活動として認識しているからである。そこで、「共有価値創造(CSV)」という企業経営活動に対する新たなアプローチが現れている。

共有価値創造(CSV)とは、経済的価値である企業の収益創出を通じて社会的価値を創出することであり、企業の成功と社会の発展を共に調和させることを意味する。これは、企業の慈善活動や社会貢献活動に限定するのではなく、全体の経済的・社会的価値の総量を拡大させることである。例えば、天然資源やエネルギーの枯渇といった社会問題が企業のコストを上昇させ、新たな技術や運営・管理方式の開発・革新の動機を高め、こうしたコスト削減と社会問題解決への努力が集まり、企業の生産性向上と市場全体の拡大につながる。結局、経済的需要だけでなく、社会的需要によっても市場が形成され得るのである(Porter & Kramer, 2011)。究極的に、共有価値創造(CSV)は企業本来の役割である収益創出を基盤とするため、持続可能な社会発展および革新を可能にする。これに対し、世界中の企業や国民までもがこれを重要視している。

本報告書は、以上の内容に基づき、企業経営パラダイムが共有価値創造(CSV)へと変化していることを、GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所の国際調査結果を中心に考察する。まず、大企業の役割として収益創出と同時に高い倫理基準を設け、より良い社会を建設すべきである、すなわち経済的価値と社会的価値を同時に追求すべきであるという共有価値創造(CSV)を選択した各国の割合を時系列的に見ると、以下のようになる。

<図1> 共有価値創造(CSV)に対する認識変化の推移(%)

資料:GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所 RADAR 2013 国際調査(Q6t)

2001年、2006年、2008年、2013年の結果を比較すると、2001年には共有価値創造(CSV)が重要だと回答した割合が高かった国は、主に先進国に該当するオーストラリア(72%)、カナダ(50%)、英国(52%)、米国(48%)であった。一方、チリ(29%)、フランス(21%)、インド(20%)、ナイジェリア(16%)、ロシア(25%)、韓国(28%)、トルコ(29%)は、共有価値創造(CSV)に対する認識度が低い方であった。しかし、時間が経過するにつれて、チリ、ナイジェリア、ロシアを除くほとんどの国で共有価値創造(CSV)に対する認識度が高まる傾向が見られた。特に、2006年と2008年に下落傾向を見せた国々が、2013年に入って上昇する傾向を見せた。反面、ブラジル、チリ、メキシコなど経済状況が良くない南米諸国やナイジェリア、ロシアにおいては、むしろ2013年になって共有価値創造(CSV)に対する認識度が低下した。しかし、<図2>のようにCSRに対する認識が急上昇しており、ほとんどの国が企業の社会的役割の重要性を共感していることがわかる。

<図2> CSRに対する認識変化の推移(%)

資料:GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所 RADAR 2013 国際調査(Q6t)

一方、企業の社会的責任に対する政府規制の必要性に同意する各国の割合の変化を見ると、<図3>のようになる。

<図3> CSR規制同意割合の変化推移(%)

資料:GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所 RADAR 2013 国際調査(Q8t_dt)

概して、政府が企業の社会的責任を規制することへの同意割合が、時間が経過するにつれて上昇する傾向を見せた。特に、2002年と比較して2013年に最も大きな上昇幅を見せた国は韓国であった。韓国は2013年現在、政府のCSR規制に対する最も高い賛成率を示している。その他にも、CSRが企業の自発的な努力によってうまく行われている米国、フランス、ドイツなど一部の欧州諸国を除けば、ほとんどの国で調査された年ごとに政府のCSR規制に対して過半数を超える賛成率を示した。これは、現在活発に履行されている企業の社会的責任(CSR)に限界があることを意味する。実質的に国民が期待するCSRの効果を実感できていないため、政府が乗り出してでも規制すべきだと考えているのである。韓国においては、実際に産業発展法、中小企業基本法、中小企業振興に関する法律などを通じて、企業が社会的責任を果たすことを義務的に規定している。それだけでなく、企業の社会的責任を促進するための各省庁の政策的な努力も活発に行われている。それにもかかわらず、政府のCSR規制に対する同意割合が韓国で最も高く 나타나는 것은、企業の社会的責任が国民が期待する水準に達していないことを意味する。すなわち、国民は企業が社会問題を積極的に解決してくれることを期待しているが、実際の企業は慈善的、施恵的な次元の社会貢献活動のみを継続しているのである。これは単に韓国の問題だけでなく、企業の社会的責任だけでは社会問題を解決するのに大きな助けにならないことを意味する。

こうした現実の中で、企業は社会的責任からさらに進んで、企業と社会が共にウィンウィン(win-win)できる共有価値創造(CSV)という新たな経営方式を導入・実践している。すなわち、企業の社会的責任(CSR)から共有価値創造(CSV)へと経営パラダイムが変化しているのである。特に、Porter & Kramer(2011)が主張した共有価値創造(CSV)が資本主義危機の新たな代替案となり得るという言説が形成されるにつれて、多くの企業は社会的責任(CSR)から共有価値創造(CSV)へと経営戦略を変更し始めた。以上の事実に基づき、企業の役割が収益創出から社会的責任へ、そして今や共有価値創造(CSV)へと進歩していることがわかる。

Ⅲ. 企業信頼度と共有価値創造(CSV)

企業の社会的責任に対する限界が指摘される中で、企業経営のパラダイムは共有価値創造(CSV)へと進化している。これまで企業は、困難な隣人を助け、彼らのためにボランティア活動を行うなどの慈善活動を通じて社会的責任を果たしてきた。特に、大企業を中心に社会的責任を積極的に実践しており、そのために支出する費用も2011年基準で企業あたり平均140億ウォンを上回るとされている。<表1>でも見られるように、毎年企業あたりの平均社会貢献支出規模が増加している。特に、2002年に比べて2011年の平均社会貢献支出規模は約2.6倍ほど急増した。それにもかかわらず、<図4>を見ると、韓国の大企業信頼度はますます低下する傾向を示しており、2013年現在では他の国々に比べて最も低い水準となっている。

<表1> 全経連調査参加企業の平均社会貢献支出規模

資料:鄭漢蔚(2013)より再構成。

<図4> 大企業信頼度の変化推移(%)

資料:GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所 RADAR 2013 国際調査(Q1At_bt)

概して、先進国に該当するカナダ、英国、米国、そして開発途上国に該当するインド、インドネシア、ナイジェリアが大企業信頼度が高いとされた。韓国が先進国の仲間入りを果たしたにもかかわらず、なぜ開発途上国のそれよりも低い水準となり、企業が社会貢献のために多額の費用を支出しているにもかかわらず、企業に対する信頼は高まらないのか?その原因を本報告書は、企業の役割に見出そうとする。前述したように、企業の社会貢献、社会的責任(CSR)だけでは国民が企業に期待する水準を満たすことができず、変化する企業経営パラダイムに対応できないからである。

この内容をより具体的に考察するため、GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所の国際調査結果に基づき実証分析を実施した。すなわち、企業信頼度を高める企業の役割が何であるかを把握するため、2001年から2013年までの資料に基づき、計29カ国に対する結合時系列回帰分析を探索的に実施した。結合時系列回帰分析は、時系列分析と横断的分析を同時に行う分析方法であり、small-Nの問題を解決できる利点がある(柳淵奎・白承浩、2010)。

結合時系列回帰分析に使用した変数については、<表2>の通りである。まず、従属変数は「大企業を信頼するか」という質問に対し、「大いに信頼する」、「やや信頼する」と回答した割合を合算した「大企業信頼度」を用いた。独立変数としては、大企業の役割として収益創出と同時に高い倫理基準を設け、より良い社会を建設すべきであるという「共有価値創造(CSV)」を選択した割合、高い倫理基準を設け、より良い社会を建設すべきであるという「社会的責任(CSR)」を選択した割合、収益創出に集中すべきであるという「収益創出」を選択した割合を設定した。制御変数としては、一人当たりGDPと時差従属変数を使用した。一人当たりGDPは、当該国の経済水準を把握するのに非常に有用に活用されている(朴明浩他、2009)。本報告書では、current US$基準で提示されたWorld Bankの資料を使用し、正規分布化させるために対数変換を行った。通常、経済水準が高い国ほど、国家の主要経済主体である企業の活動が活発であり、その成果も良いため、企業信頼度が増加する可能性が大きい。また、時差従属変数である前調査年次の大企業信頼度を制御することで、自己相関の問題を解決した。

<表2> 変数測定

注:従属変数と独立変数の資料は、GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所 国際調査(Q1At_bt, Q6t)である。

<表3>は、分析標本の特性を考察した基礎統計結果である。2001年から2013年まで分析対象となった29カ国の大企業信頼度の平均は53.31%であり、大企業の役割として共有価値創造(CSV)を選択した割合の平均は32.53%、社会的責任(CSR)を選択した割合の平均は34.85%、収益創出を選択した割合の平均は25.91%である。大企業の役割として社会的責任(CSR)を選択した割合が、共有価値創造(CSV)を選択した割合よりも平均的に若干高かった。29カ国の1人当たりGDPの平均は約17,881ドルであるが、1人当たりGDPが最も低い国は381ドル、最も高い国は67,036ドルであると示され、国別で差がかなり大きいことがわかる。

<表3> 基礎統計結果

以上の変数に基づき、企業信頼度に影響を与える企業役割に関する結合時系列回帰分析を実施した。その結果は<表4>の通りである。

<表4> 分析結果

分析結果を見ると、大企業の役割として共有価値創造(CSV)を選択した割合が高い国ほど、企業信頼度も徐々に高まることが示された。例えば、フランスの場合、共有価値創造(CSV)を選択した割合が2001年の21%から2013年の39%へと18パーセントポイント上昇し、大企業信頼度も2001年の42%から2013年の52%へと10パーセントポイント上昇した。インドネシアの場合も、共有価値創造(CSV)を選択した割合が2001年の30%から2013年の51%へと21パーセントポイント急増し、大企業信頼度も2001年の67%から2013年の82%へと15パーセントポイント向上した。反面、メキシコの場合、共有価値創造(CSV)を選択した割合が2001年の32%から2013年の13%へと低下し、大企業信頼度も2001年の67%から2013年の43%へと急落する様子を見せた。これらの事実は、時間の経過とともに大企業信頼度に共有価値創造(CSV)が与える影響が大きいことを意味する。しかし、大企業信頼度が高い国で共有価値創造(CSV)を選択する割合が高まるという逆因果関係(reverse causality)の可能性も排除できない。そこで、従属変数と独立変数、制御変数間に1年間の時差を設けて追加分析を実施した。その結果を[付録2]に提示したが、主要な独立変数と従属変数間の関係において<表4>の結果と一致した。すなわち、共有価値創造(CSV)に対する世論が高い国ほど、企業信頼度が徐々に高まることが確認された。共有価値創造(CSV)に対する国民の認識が高いということは、共有価値創造(CSV)の論理が普遍妥当な規範として定着したことを意味し、これに対応して企業の役割も変化させる必要があることを示唆する。結局、共有価値創造(CSV)が企業信頼度を高める重要な要因として作用しているのである。一方、大企業の役割として社会的責任(CSR)を選択したり、収益創出を選択した割合が高い国々は、企業信頼度に有意な影響を与えていない。したがって、企業信頼度を高めるためには、社会的価値を創出できる収益モデルを開発し、社会問題の解決に率先して取り組む必要がある。

前述したように、企業の社会的責任だけでは社会問題を解決するには限界がある。社会的責任として最も多く活用される事例は、役職員のボランティア活動、恵まれない隣人への寄付、文化芸術および科学支援プログラムなどである。このように一方的に企業の資源を寄付することは、持続可能性の観点から限界があるだけでなく、受益者にとっても一時的な効果しかない。特に、慈善に近い社会的責任活動は、企業にとっては追加費用と認識されるため、これを長期的な観点から継続的に追求することは困難になる。このように、企業の社会的責任は社会問題を根本的に解決できないため、企業がこれにどれだけ多くの努力を傾けても、国民の認識は改善されないのである。また、企業の社会的責任が一部の疎外された階層のみを対象とした活動に限定されてきたため、ほとんどの国民はこれを実質的に実感できていない。こうした要因が複合的に作用し、企業の社会的責任がイメージ改善のための一つの戦略に過ぎないという世論が形成されるのである。

Til & Gurin(1990)は、社会貢献活動が「慈善」から「博愛」へと変化すべきだと主張した。「慈善」が利他心に基づいた寄付活動を意味するならば、「博愛」は人類の生活の質向上に焦点を当てた組織的かつ計画的な活動を意味する。また、「慈善」は心構え、すなわち動機が重要であるが、「博愛」は人類の生活の質を根本的に向上させ、改善することに目的があるため、どのような成果が創出されたかが非常に重要である(洪炫玟、2013)。これは結局、社会貢献活動が困難な人々を助ける慈善的な次元で終わるのではなく、社会問題を根本的に解決し、国民全体の生活を豊かにするように、経済的・社会的価値の総量を拡大させる共有価値創造(CSV)へとつながるべきであることを意味する。

企業の生存と成長は、その企業の製品やサービスを利用する消費者、すなわち国民によって左右されるため、彼らが直面する問題を解決することが必要である。したがって、企業の目標や経営戦略が収益創出や施恵的な次元の社会貢献活動に限定されてはならず、マクロ的に国民の生活の質を向上させ、社会・国家の発展を誘導できるものでなければならない。このために、企業の収益創出活動が社会価値創出につながる共有価値創造(CSV)を実現しなければならない。これは、社会問題を解決すると同時に企業の収益も発生させるため、持続可能性の観点から優れている。特に、企業信頼度が極めて低い韓国の状況においては、ぜひ必要な戦略と言える。

また、従来の企業信頼度が高かった国々で企業信頼度が着実に上昇する傾向と共に、一人当たりGDPが低い国で企業信頼度がさらに高まる傾向を発見することができた。開発途上国であるほど、貧困、犯罪/安全などの社会問題が深刻であるが、これを解決できる政府の能力が不足しているため、これを補完できる企業の役割が非常に重要である。こうした実質的な必要性から、企業は役割の変化を積極的に試み、国民の期待に応えようとする。<図1>でインドは共有価値創造(CSV)に対する認識度が高まる傾向を見せ、インドネシアにおいては2013年の回答者の51%が共有価値創造(CSV)を重要視していたという事実がこれを裏付けている。こうした努力が加わり、企業に対する信頼が高まるものと言える。

このように、現代社会で求められる企業の役割はますます多様化している。過去のように政府、企業、市民社会の役割が明確に区分されるのではなく、持続可能な発展、社会革新という大きな共通の目標のもと、各自が定められた本来の役割に加えて、新たな役割を同時に果たすことが期待されている。これに対し、政府、企業、市民社会が共に協力していくことが重要である。特に、企業は共有価値創造(CSV)を積極的に実現することで社会問題を解決していく際に、国民から高い信頼を得ることができ、持続可能な成長の基盤を 마련할 수 있다。

Ⅳ. 共有価値創造(CSV)の事例

共有価値創造(CSV)は、社会問題を根本的に解決する企業経営戦略であり、企業の社会的責任(CSR)が持つ限界と問題点を補完することで、社会革新、持続可能な国家発展を可能にする。したがって、企業が共有価値創造(CSV)を積極的に実現する際に、企業に対する国民の認識を肯定的に転換させることができ、それに対する信頼度も高めることができる。

共有価値創造(CSV)は最近になって強調された概念であり、馴染みがないかもしれないが、その事例は身近で見つけることができる。本報告書では、共有価値創造(CSV)を設立目的とする特別な組織形態である社会的企業の例を中心に考察することにする。社会的企業とは、地域共同体に利益をもたらすなど、社会的価値を実現するために財貨やサービスなどを生産・販売する組織である(沈昌学、2007)。韓国では2007年に「社会的企業育成法」が制定されたことにより、短期間で多くの数の社会的企業が設立された。2007年当時50余社に過ぎなかった社会的企業が、2013年12月末現在、1012社に達するとされている(韓国社会的企業振興院ウェブページ)。その中でも最も代表的な事例として、社会的企業を支援することで共有価値創造(CSV)をリードしている社会的企業「幸せなれ」を見てみよう。

幸せなれ(ハッピナレ)の始まりは、米国最大の消耗品購入(MRO)事業者であるGrainger社とSKグループの提携を通じて2000年に設立された「MROコリア」である。MROコリアは、SK系列会社との取引を通じて2010年に1000億ウォン、2012年に1500億ウォン以上の売上高を達成する成果を見せた。その後、2011年8月、SKグループは「MROコリア」を社会的企業に転換させると宣言した。それから2年後の2013年7月、雇用労働部から社会的企業認証を取得した。

社会的企業に転換するにあたり、会社名を「幸せなれ(ハッピナレ)」に変更し、「国内最高の社会的価値と顧客価値を創造するTotal Service Provider」というビジョンのもと、経済的価値と社会的価値の調和を通じて流通エコシステムの新たなメカニズムを構築している。幸せなれ(ハッピナレ)は、製品生産に直接必要とされる原材料・副資材を除いた、企業の運営および製品生産に必要とされる非戦略的間接資材を総称するMRO(Maintenance, Repair and Operation: 維持、保守、運用資材)資材である工場資材、建築資材、オフィス資材、通信資材、FM資材を取り扱っている。

<図5> 幸せなれ(ハッピナレ)Biz Model Concept

資料:幸せなれ(ハッピナレ)ウェブページ http://www.happynarae.co.kr/

<図5>で示されるように、幸せなれ(ハッピナレ)は、MROの供給網拡大、すなわち規模の経済を通じた原価節減と収益性強化といった企業価値を実現しつつも、次の3つの次元の社会的価値を同時に創出している。まず、中小企業および社会的企業から製品を購入する過程で、社会的企業の持続可能性確保と大中小企業間の共生協力という社会的価値を創出する。何よりも、社会的企業と社会的弱者企業(障害者企業など)の商品販路開拓支援を通じて優先購入を実施するという点で、社会的企業の持続可能な成長を可能にしている。また、脆弱階層の経済的自立支援のために彼らを雇用することで、脆弱階層の生活の質の向上に寄与している。次に、販売から発生した収益を、社会的企業の競争力向上に向けた原価節減、マーケティングチャネル支援、経営コンサルティング支援などの活動に使用したり、社会に還元する手続きを経ることで社会的価値を創出する。その他にも、幸せなれ(ハッピナレ)は「慈善」ではなく「参加」の価値、「単発的なイベント」ではなく「持続的な価値創造」という目標のもと、「参加者がより幸せになる貢献活動」を推進するために努力している。特に、構成員の約20%がプロボノ活動に参加しており、55社の社会的企業協力会社のうち17社の社会的企業でプロボノ活動を実施している。自身の職業を通じて習得した知識や技術を社会、公共の目的のために提供するプロボノ活動を積極的に実践することで、社会的企業の競争力向上に貢献しているのである(幸せなれ(ハッピナレ)ウェブページ)。このように、幸せなれ(ハッピナレ)は、収益創出を通じて利害関係者の生活を豊かにし、構成員全員が幸せになれる共有価値創造(CSV)実現に率先して取り組んでいる。

共有価値創造(CSV)は、社会的企業だけでなく、全ての企業で実践可能な経営戦略である。創造性と技術力さえあれば、どの企業でも共有価値創造(CSV)を通じて社会問題を容易に解決できる。Kotler(2010)は、現代社会が「理性」中心のマーケット1.0(産業化)から「感性」中心のマーケット2.0(情報化)を越え、「共同体的価値創造」中心のマーケット3.0時代へと移行したと説明している。すなわち、多様な構成員間の参加と協力が基本となる参加の時代へと進化したのである。こうした時代的変化に歩調を合わせ、企業は企業の価値、消費者の価値、社会の価値を共に調和させた共有価値創造(CSV)を通じて社会革新を導き、持続可能な社会を築いていかなければならない(張龍錫・趙熙珍、2013;朝鮮日報、2013)。また、社会問題解決という共通の目標を持つ政府も、企業が自発的に共有価値創造(CSV)の実現に邁進できるよう、継続的な支援を惜しまないようにしなければならない。

Ⅴ. 結び

本報告書は、GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所の国際調査結果に基づき、共有価値創造(CSV)の重要性を説明した。主な結果を要約すると以下の通りである。

第一に、企業経営パラダイムが収益創出から社会的責任(CSR)を越え、共有価値創造(CSV)へと進化したことがわかった。共有価値創造(CSV)に対する認識変化の推移を見ると、2000年代初頭の2001年には主に先進国で共有価値創造(CSV)に対する認識が高かったが、時間が経過するにつれて、チリ、ナイジェリア、ロシアを除くほとんどの国でも共有価値創造(CSV)に対する認識度が高まることを発見できた。また、時間が経過するにつれて、ほとんどの国で政府のCSR規制に対する同意割合が上昇する傾向を見せた。その中でも韓国は、2001年と比較して2013年に最も大きな上昇幅を見せたが、これはこれまで行われてきた企業の社会的責任(CSR)が社会問題を解決する上で特別な効果を発揮していないことを裏付けている。こうした状況下で、企業と社会が共にウィンウィン(win-win)できる共有価値創造(CSV)を強調する方向へと経営パラダイムが変化している。

第二に、韓国が社会貢献活動に積極的であるにもかかわらず、依然として企業信頼度が低いという点に焦点を当て、企業の役割変化が必要であることを提案するため、2001年から2013年まで計29カ国を対象に結合時系列回帰分析を実施した。分析の結果、企業が共有価値創造(CSV)を実現することは企業信頼度を高めるが、社会的責任(CSR)や収益創出に焦点を当てることは企業信頼度に全く影響を与えないことが示された。この結果は、これまで施恵的な次元で提供されてきた企業の社会貢献活動が、持続可能性の観点から限界があることを示している。また、企業が社会問題を解決してくれると期待していた国民の要求を十分に満たせなかったことを意味する。したがって、企業に対する国民の信頼度を高めるためには、共有価値創造(CSV)を積極的に実現しなければならない。

第三に、共有価値創造(CSV)は2011年にPorter & Kramer(2011)によって強調された概念であるが、その事例は古くから存在し、身近でも見つけることができる。特に、共有価値創造(CSV)を設立目的とする社会的企業がその実現を促進する代表的な例である。その中でも、企業価値を実現すると同時に社会的企業を支援することで共有価値創造(CSV)をリードしている社会的企業「幸せなれ(ハッピナレ)」の事例を具体的に考察した。

本報告書は、韓国の慢性的な問題として提起されてきた企業信頼度を高める方策を、企業の役割変化に見出した点にその意義がある。また、これまで進められてきた企業の社会的責任(CSR)が、持続可能性の観点から企業信頼度を高める上で限界があることを明らかにした点で意味が大きい。現代社会で求められる企業の役割を満たすためには、企業が収益創出を通じて社会的価値を創出する、すなわち、社会問題を根本的に解決できる共有価値創造(CSV)への転換が急務である。そのためには、企業のビジョン、目標、戦略、文化など、企業全体の構造を共有価値創造(CSV)実現が可能となるように構築し、企業が保有する能力を最大限に発揮できるよう、政府の積極的な支援と市民社会の協力を得ることが必要である。


本報告書の主張と内容は筆者個人の意見であり、共同研究機関である社会的企業研究所および東アジア研究院の公式見解とは無関係であることを明記します。本報告書のデータを引用される際は、「GlobeScan・東アジア研究院・社会的企業研究所調査」であることを明記してください。

*この本文は韓国語で書かれた原文を AI で翻訳したものです。一部の翻訳やニュアンスに誤りがある場合があります。

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