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[2024年 日本選挙イシューブリーフィング] ③ 石破自民党の「守る」志向と経済政策の行方

カテゴリー
論評・イシューブリーフィング
発行日
2024年10月31日
関連プロジェクト
日韓関係の再建

編集者ノート

イ・ジョンファン ソウル大学教授は、自民党の政治資金スキャンダルに対する否定的な世論が、自民・公明連立政権の経済政策、特に物価上昇に比べて遅々として進まない賃金上昇に対する不満と結びついていると指摘します。イ教授は、石破首相が掲げた経済政策スローガンが、前任の岸田政権の「成長と分配の好循環」から進歩しておらず、石破氏が差別化を目指した地方創生政策も、都市部の有権者に訴えかけるには不十分だったと分析します。イ教授は、石破政権が今後、連立政権維持のために野党が強調してきた民生支援拡大政策を受け入れざるを得ない状況に置かれており、それに伴い2025年度政府予算案でも財政健全性よりも国民負担軽減の観点が強調されるだろうと展望します。

日本選挙イシューブリーフィング第3弾.jpg
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2024年10月1日に首相に就任した後、戦後歴代最短の8日間で衆議院を解散し、10月27日に総選挙を実施することを選択した石破茂首相率いる自民党と連立パートナーの公明党は、議席過半数に18議席足りない215議席を獲得するという大敗を喫した。衆議院選挙で自民党が単独過半数達成に失敗したのは2012年以来初めてである。2012年、2014年、2017年、2021年の衆議院選挙で自民党はすべて単独過半数を確保した。したがって、今回の選挙結果は、2012年の第2次安倍晋三政権発足以来維持されてきた自民党優位体制の亀裂という性格を持つ。より長く見れば、今回の選挙結果は、民主党が単独過半数を達成した例外的な2009年選挙を除けば、1999年の自・公連立関係樹立後、両党合計議席数が過半数を満たせなかった初の事例であるという点で、自・公連立に立脚した安定的政権運営の持続可能性に対する疑念を提起している。

短くは12年余り続いた自民党優位体制、長くは四半世紀近く続いた自・公連立の安定性に対する亀裂をもたらした今回の衆議院選挙結果の核心原因は、自民党の政治資金スキャンダルに対する日本社会の否定的な判断である。しかし、政治資金スキャンダルに対する日本社会の否定的な評価は、自・公連立政権の経済政策運営に対する日本社会の不満と結びついている。本稿は、今回の選挙結果の重要な原因である日本社会の政治経済的な不満が何であり、それに対する石破自民党の対応に何が不足していたのかを分析した後、今後展開される与野党拮抗の衆議院構図において予想される日本の経済政策の方向性を展望しようとするものである。

Ⅰ. インフレレーションの中での総選挙

日本国内政治の細かな文脈を抜きにして、日本の最近の経済指標を 살펴보ると、インフレが与党にとって今回の選挙が好意的になり得ない原因となっている点は明らかである。[図1]で見られるように、2022年以降、日本の物価上昇率は非常に高い水準にある。もちろん、世界的な比較において日本のインフレ率自体が特別だと見ることは難しい。ポストコロナ局面でコロナ危機対応時の景気刺激策として実施されたマクロ経済政策が、多くの国でインフレを招いたことは周知の事実である。

もちろん、2012年以降のアベノミクスから現在まで、日本政府と日本銀行が維持している物価上昇を通じた経済成長と、その成果を社会全般の所得上昇へと誘導する好循環構造創出の政策目標という観点から見れば、物価上昇は否定的な指標ではない。しかし、物価上昇のための2012年以降の量的緩和措置が、2020年のコロナ以前に大幅な物価上昇を引き起こさなかった中で、生ぬるい景気改善の成果を生み出した。第2次安倍政権時代にも、日本政府は量的緩和条件がもたらした円安と株価上昇の中で改善された企業業績を労働分配率上昇に結びつけることを日本企業に要求した。第2次安倍政権時代の物価上昇 – 企業業績改善 – 賃金上昇の連鎖は、ささやかな規模で機能したと言える。

2022年以降の日本の物価上昇の特徴は、規模自体が2010年代に比べて大きく、上昇速度が非常に速い点である。さらに、物価上昇の規模と速度は、日本政府の政策意図というよりも、米国をはじめとする他先進国のマクロ経済政策とのデカップリングの中で生じた円安の影響が非常に大きい。2021年10月に発足した岸田文雄政権においても、労働分配率強化のための賃金上昇は着実に強調されたが、その上昇幅は円安と結びついた物価上昇の規模と速度に追いつくことが困難であった。

[図1] 消費者物価指数、賃金指数、消費者態度指数の推移(2016年1月 - 2024年8月)

資料:総務省「消費者物価指数」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」、内閣府「消費動向調査」

注:1. 消費者物価指数、賃金指数は2020年=100基準

2. 賃金指数は事業所規模5人以上の所定内給与の賃金指数を使用

3. 消費者態度指数は原数値(総世帯)を使用

今回の総選挙で、日本社会の政治経済的な不満は、過去2年間の消費者物価指数と賃金指数の間のギャップに見出すことができる。2010年代のささやかな規模の好循環的な景気サイクルの中で、過去に比べて改善された消費者態度指数は、ポストコロナ時代に再び悪化した。最近の日本株式市場の高い成長は、日本社会全体にとっては別世界のことである。

Ⅱ. 「守る」の石破ビジョン

9月27日の自民党総裁選における石破氏の当選は、自民党政治家たちの戦略的選択であった。国政選挙を控えて、低い支持率の指導者を新顔に交代させて政権支持率を浮揚させようとする選択は、日本政治史において頻繁に起こることである。3年前の2021年9月の自民党総裁選における岸田氏の当選と、岸田氏を新顔とする10月の衆議院選挙での自民党の勝利が典型的な事例である。2024年の自民党政治家たちは、石破氏を通じて2021年の岸田氏の選択と選挙勝利のパターンを繰り返したいという期待を抱いていた。長年、自民党の非主流派として生きてきた石破氏は、安倍派中心の政治資金スキャンダルから相対的に自由な立場にあった。安倍派を代表する高市早苗元経済安全保障担当大臣が総裁選で相当な競争力を見せたが、政治資金スキャンダルの中心勢力である安倍派が再び自民党のリーダーシップを確保した場合に発生しうる政治的逆風を避けるという次元の消去法の中で、石破氏の機会が開かれたのである。当初、小泉進次郎元環境大臣を支持していた菅義偉元首相と、特定の候補者への支持表明をしなかった岸田首相が、決選投票で石破氏を支持したのは、有権者に自民党の新鮮さをアピールしようとする戦略的選択を象徴する。

しかし、岸田政権期の経済状況に対する日本社会の反発に対応できる経済政策の側面において、石破氏の新鮮さは存在しない。安全保障分野の専門性で高い評価を受けてきた石破氏は、経済社会政策分野で自己の色合いを持つ政策志向を示したことはない。しかし、2024年の自民党総裁選と衆議院選挙で、日本社会が重点的に期待したのは、積極的な政治改革への取り組み姿勢と、それに加えて経済政策分野への代替案である。石破氏が安倍政権時代と岸田政権時代に党内非主流派にとどまったというだけでは、新鮮さの内容を埋めるには十分ではない。例えば、2021年に岸田氏は総裁・首相に就任するにあたり、アベノミクスと差別化される「成長と分配の好循環」を目指す「新しい資本主義」を提示し、新鮮さをアピールした。

2024年の石破氏には、このような経済社会政策志向の新鮮さが欠如していた。石破氏が首相就任後の10月4日に国会で行った所信表明演説と、衆議院選挙時の自民党政策公約で活用した「守る」というレトリックは、具体性に欠ける。石破首相は所信表明演説を5つの「守る」セクション(ルールを守る、日本を守る、国民を守る、地方を守る、若者と女性の機会を守る)で構成し、衆議院総選挙の自民党政策公約でも5つの「守る」項目(ルールを守る、生活を守る、国を守り国民を守る、未来を守る、地方を守る)を提示した。守るべきものとして提示されたそれぞれの対象は、細部政策分野を意味する。「ルール」は政治改革を、「日本」または「国」は外交安保政策と災害対策を、「国民」または「生活」は物価対策を中心とする経済政策を、「地方」は地方創生政策を、「未来」または「機会」は少子化対策と教育政策などを意味する。

石破氏が掲げた「守る」というレトリックは、2007年の参議院選挙と2009年の衆議院選挙で当時の民主党が掲げた「生活と地域が一番」というスローガンを想起させる。小泉純一郎の自由新主義的改革がもたらした格差社会問題に正面から対応するという当時の民主党のスローガンは、民主党が両選挙で大勝できた普遍的福祉強化の政策志向を鮮明に示してくれた。石破氏の「守る」ビジョンも、内容構成によっては岸田政権との差別化を図る可能性が全くないわけではない。しかし、石破氏の「守る」スローガン下の細部は、岸田政権で継続的に言及されてきた「成長と分配の好循環」の議論から抜け出せていない。

経済社会政策分野で、岸田政権との差別化志向はむしろ高市氏に見られる。政治資金スキャンダルで身動きが取れない安倍派を代表するという限界が明白だが、高市氏は積極的な財政拡張を国民負担増加なしに実施するという観点を継続的に示してきた。現代貨幣理論(Modern Monetary Theory: MMT)に対する積極的な受容姿勢は、経済政策の主流的観点から懸念を呼び起こしたが、国民負担増加に反対するという点で、岸田政権の経済政策に対する日本社会の反感に応えうる政策志向を発信していた。

経済政策において、石破氏の独自色は地方創生を強調する部分にある。2014年に安倍政権が地方創生政策を立ち上げた際、石破氏は初代地方創生担当大臣を務めた。本人の意図とは関係なく幹事長の位置から退き担当することになった政局的文脈とは別に、過疎地域を代表する鳥取県出身であり、均衡発展論を象徴する田中角栄を尊敬する石破氏にとって、地方創生担当大臣はふさわしい役職であった。本人自身も地方創生を自身の政治的資産にしようとする観点を強く持っていた。石破氏は2024年に首相に就任し、「地方創生2.0」を提唱し、地方創生交付金を倍増して地方経済の活性化を図るという政策志向を明確にした。

しかし、地方創生は石破氏の「守る」ビジョンを代表するには限界が明白である。まず、地方創生政策に投じられる政府の支援規模自体が大きくない。現実的に地方交付金全体の規模が増額されにくい財政的条件の中で、地方創生交付金の倍増は規模として大きな意味とは見なしにくい。さらに、均衡発展の観点から地方への支援拡大を強調するだけでは、都市部の賃金生活者にアピールすることは難しい。1970年代に田中氏が日本列島改造論を通じて均衡発展を主張した際、集中開発を通じた均衡発展については国家全体的な受容性があった。2000年代後半の民主党政権は、地方への支援強化と都市部賃金生活者への支援をパッケージとして構成し、多くの有権者の支持を動員することができた。しかし、石破政権の地方創生スローガンは、都市部賃金生活者への生活保護政策と連携して展開されていない。

Ⅲ. 岸田政権継承の限界

結局、経済政策の側面において、石破政権は都市部賃金生活者のインフレに対する不満に対する効果的な対応策の提示に成功しなかった。2024年の衆議院選挙で自民党の議席数が大幅に減少したことを議席数変化の地域的変化として観察した場合、関東地方を中心とする都市部で自民党が立憲民主党を中心とする野党に多くの選挙区を明け渡した点が際立つ。もちろん、地方都市圏でも北海道と東北を中心に、自民党は多数の選挙区を野党に明け渡した。しかし、2017年と2021年の選挙で大きな優位を占めていた関東地方の都市部が、与野党拮抗を越えて野党優位の構図に変化したことが、与野党議席数構図に大きな影響を与えた。もし野党の選挙連合が全面的に行われていれば、今回の総選挙は自・公連立の過半数失敗ではなく、2009年のような確実な政権交代の状況が起こったかもしれない。

石破政権が都市部賃金生活者の岸田自民党に対する不満が石破政権に波及するのを防ぐためには、まず石破首相自身が岸田自民党の経済政策と差別化されるビジョンを提示できる能力、あるいはその役割を代行する諮問グループが必要である。石破氏にはそのような能力も勢力も不在である。前述したように、むしろ自民党内では高市氏がそのような方向性を示した。さらに、石破政権の誕生自体に岸田氏の高い影響力が存在している。岸田氏が石破氏支持の条件として、岸田政権の政策基調を継承することを要求したことはよく知られている。岸田政権の政策基調の連続性の中にいる石破政権が、今回の選挙で受けた成績表は、石破政権ではなく岸田政権に対する評価の性格が強い。

日本社会の岸田政権に対する高い水準の不満と否定的な評価について、岸田元首相と岸田政権の中枢勢力は不当だと評価するかもしれない。[図1]で見られるように、2024年春を期して賃金上昇が実際に起こっている。岸田政権が継続的に強調してきた物価上昇に準ずる(あるいは政治的な次元で「上回る」という形容詞を使う)賃金上昇に対して、岸田政権が真摯に取り組まなかったわけではない。

さらに、岸田政権関係者たちは、日本の未来志向的な課題に対して政府が積極的な投資を実施するという決定を下したことで、肯定的な自己評価をしているだろう。防衛費の大幅な増額、グリーン経済構築のためのGX(Green Transformation)、積極的な産業投資および科学技術投資、そして少子化対策に対する政府の支出拡大は、日本が直面した国内外の構造環境変化に対応するために必要だと継続的に主張されてきた。2012年以降8年間続いた安倍政権において、このような課題の必要性は、安倍元首相の強いカリスマ性の中で積極的に表現された。しかし、これらの課題を遂行するための政府の積極的な財政支出措置の実際の決定は、岸田政権で下された場合が多い。

しかし、このような未来志向的な課題に対する政府支出の拡大は、必然的に負担分配の政治を招かざるを得ない。防衛費支出の増加は防衛増税に、少子化対策は医療保険などの社会保険に少子化支援金名目の保険料追加に、産業投資の増加は国債増加につながっている。日本社会の岸田政権に対する不満は、通貨政策および為替政策と密接に関連したインフレ自体だけが原因ではない。未来志向的な課題のための負担増加に対する不満が複合的に作用している。今回の選挙で、多くの野党が生活安定支援とともに、消費税凍結または引き下げのような国民負担軽減を積極的に打ち出した点は、このような文脈から生じている。

Ⅳ. 日本次期政権の経済政策方向性展望

今回の衆議院選挙の結果、現在日本は多数勢力が不在のまま、様々な連立が可能なハング・パーラメント(Hung Parliament)状態に置かれている。まず、衆議院で過半数を失った自・公連立勢力は、首相選出および今後の国政運営のために、さらに別のパートナーが必要である。しかし、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党などが広範な野党連携を通じて非自民(あるいは非自・公)連立を構成することが、数的に不可能ではない議席分布状況である。実際に立憲民主党の野田佳彦代表は、選挙後、野党連携を通じた政権交代に言及している。自・公+αと野党連携の二つの選択肢のうち、可能性が高いのは前者である。特に国民民主党が政権の連立に参加しないものの、自・公との部分的な政策協力関係を結ぶことが、現在のところ最も可能性が高い。

国民民主党(あるいは日本維新の会との)政策協力の中で、自・公連立の石破政権が継続された場合、石破政権は国民民主党や日本維新の会が強調してきた生活安定支援の拡大および国民負担軽減の様々な政策を受け入れざるを得ない。もちろん、万が一、野党による新たな連立政権が誕生した場合でも、状況は変わらない。制度的に衆議院選挙後30日以内に首相を選出しなければならない中で、11月中下旬のアジア太平洋経済協力(Asia-Pacific Economic Cooperation: APEC)、主要20カ国(G20)首脳会議などの外交日程のため、11月上旬に次期政権構図が決定される可能性が高い。

石破政権の継続、または新たな非自民連立政権の誕生のいずれの場合であっても、今回の選挙の最大の敗者は財務省になる可能性が高い。12月に予定されている政府予算案および税制計画大綱の確定において、財政健全性への観点よりも国民負担軽減の観点が強く反映される可能性が非常に高い。さらに、今年または来年3月以前に推進される補正予算は莫大な規模になると見込まれ、来年1~6月の定例国会で行われる予算審議や各種法案審議において、財政健全性はさらに後回しになるだろう。来年7月に予定されている参議院選挙の日程は、このような方向性への展望を強化する要因である。

日本の経済構造の根本的改革を継続して強調してきた八代尚宏教授は、今回の選挙で与野党間に医療改革、年金制度改革などの社会保障制度の持続可能性を高める制度改革の議論が全く行われなかった点を憂慮している。しかし、このような制度改革議論の進展の困難さは、日本社会の現状維持的な性格に起因している。■


イ・ジョンファンソウル大学政治外交学部教授。


■ 担当・編集:パク・ハンスEAI研究員

問い合わせ:02 2277 1683 (内線204) | hspark@eai.or.kr

添付ファイル

  • 이정환_이시바자민당의‘지키다’지향과일본사회_241031_EAI이슈브리핑.pdf

*この本文は韓国語で書かれた原文を AI で翻訳したものです。一部の翻訳やニュアンスに誤りがある場合があります。

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